Anneta Konstantinides/Insider
- 筆者の父親は、伝統的なギリシャ料理「イェミスタ」を昔からよく作ってくれる。
- 父のレシピでは、トマトに米や牛ひき肉、玉ねぎ、パセリを詰める。
- 手軽に作れて美味しいこのレシピは、トマトが旬を迎える夏にぴったりの一品だ。
筆者は伝統的なギリシャ料理「イェミスタ」を食べて育った
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「イェミスタ」はギリシャ語で「詰め物」を意味する言葉だ。その名の通り、この料理は伝統的にトマトやピーマンに米、牛ひき肉を詰めてオーブンで焼く。
我が家では子どもの頃、イェミスタは毎週食べる定番料理だった。1980年代にギリシャからアメリカに移り住んだわたしの両親は、自分たちが食べて育ってきたこの料理をわたしたち姉妹のために作るのが大好きだった。両親が作る料理は、ギリシャ系アメリカ人としてのわたしのギリシャ文化とのつながりを助けてくれたし、地中海料理に対する愛を教えてくれた。
料理上手なわたしの父は、さまざまなギリシャの伝統料理の作り方を教えてくれた —— 中でもイェミスタは夏の夕食にぴったりだという
筆者の父。
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わたしの父はさまざまな季節や場面にあったギリシャ料理を知っている。
中でも夏のトマトのシーズンには、イェミスタを作るのが父は大好きだ。さっぱりと健康的で、元気になれるこの料理は、わたしが今でも実家に帰るたびにリクエストする料理だ。
作り方を紹介しよう。
父のレシピでは、材料はシンプルだ
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自宅でイェミスタを作るのに必要なのは:
- トマト(大き目) 8個
- 牛ひき肉 1ポンド(約450グラム)
- 玉ねぎ 1/2個
- 米 2/3カップ ※我が家ではカルローズライスを使用
- パセリ 3/4カップ
- にんにく 1片
イェミスタは伝統的にトマトとピーマン両方を使うけれど、父はアメリカのピーマンはギリシャのものに比べて厚みがないのでトマトと同じように調理するのが難しいと気付いた。
なので、父は今ではトマトだけで作ることが多い。ただ、トマトもピーマンも調理のプロセスは同じなので、挑戦したい人はぜひ!
まずは玉ねぎとパセリを刻む
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これがイェミスタの具になる。
次にトマトを準備する
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トマトを洗ったら、切れ味のいい包丁でトマトの上の方(ヘタも含む)をカットする。
ただし、上の部分を捨ててはダメだ。オーブンに入れる前に必要になる。
トマトの内側をくりぬく
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あとでイェミスタの具が入れられるように、トマトの内側をくりぬく。父はアイスクリームディッシャーを使うとくりぬきやすいと話しているけれど、スプーンでも大丈夫だ。
イェミスタを8個作る場合は、トマト5つ分の中身をボウルに取っておこう。あとで具に使う。残り3個分のトマトの中身を使ってシンプルなトマトソースのパスタを作るのが父のお薦めだ。
※ピーマンに挑戦する場合も中身を取るのは同じ。ただ、種は捨てる。
イェミスタの具に混ぜる「トマトソース」の作り方は2つある —— 簡単なのはフードプロセッサーを使う作り方だ
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くりぬいたトマトの中身から、包丁を使って固い芯の部分を取り除く。残りをフードプロセッサーに入れて、全体が均一になるまで混ぜる。
フードプロセッサーがない場合は、おろし金を使ってもOK
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おろし金を使う場合は、指に気を付けよう! 固い芯の部分を取り除くことを忘れずに(必要なのはトマトの柔らかい部分だけだ)。
完成した「トマトソース」はこんな感じになるはず…
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具を作る時までこのまま取っておこう。
トマトの「カップ」を耐熱皿に並べる
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トマトの内側に水分が残っている場合は、耐熱皿に出しておこう(あとから耐熱皿にもっと水を加えるので、心配はいらない)。
トマトの内側に軽く塩を振る
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オーブンに入れるまで、もう少しだ!
具を作る
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フライパンにオリーブオイルを入れ、中火にかける。
オリーブオイルが温まったら、刻んだ玉ねぎを入れる
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きつね色になるまで、数分炒める。
そこに牛ひき肉を入れて…
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塩と挽きたての黒コショウで味を調える。
パセリを加えたら…
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ここで入れるのは、用意したパセリの半量だけ。
全体をよく混ぜよう
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スパチュラまたは木製のスプーンを使ってひき肉をほぐし、肉が茶色になるまで焼く。
肉に火が通ったら、米と「トマトソース」を入れる
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米は2/3カップ必要だ。
全体をよく混ぜて、ぐつぐつ煮込む
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水分がほぼなくなるまで、5分ほど煮詰めよう。ただし、パサパサになるまで水分を飛ばさないように。オーブンの中で米を調理するのに、ある程度は必要だ。
最後に残りのパセリを加えよう
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最後に全体を混ぜれば具は完成!
スプーンを使って、それぞれのトマト「カップ」に具を詰めていく
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入れ過ぎに注意! 米はオーブンの中で膨らむ。
このくらいがちょうどいい
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トマトの大きさによっては、具が余ってしまうこともあるだろう。生の米を使っているので、残念ながら具を他のことに使うのは難しい。ただ、トマトがまだあれば、中身をくりぬいて余った具を詰めることはできる。
トマトのカットした上の部分を戻し、耐熱皿に水とオリーブオイルを入れる
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水は1/2カップ、オリーブオイルはスプーン1杯。トマトが耐熱皿にへばりつくのを防ぐためだ。
いよいよイェミスタを焼く
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オーブンは約180度に設定し、耐熱皿は中段へ。
1時間15分~1時間30分くらい焼く(オーブンによる)。45分を過ぎたら、イェミスタの焼け具合をチェックし始めよう。
しっかり焼けたかどうかチェックする簡単な方法は…
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トマトの中の具を少量すくって、米にしっかり火が通っているかどうか味見するのが父のやり方だ。硬さが残っているようなら、もう少し待たなければならないということだ。
焼きあがったイェミスタをオーブンから取り出したら、5~10分休ませる
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こうすることでイェミスタを少し冷まして、味をしっかり吸わせることができる。
完成!
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完成したイェミスタはオレガノや挽きたての黒コショウで味を調えよう。ヨーグルトとガーリックのソースをかけてもいい(これは祖父のお気に入りだった)。
ヨーグルトとガーリックのソースの作り方は簡単だ。ギリシャヨーグルト(1カップ)に、刻んだにんにく(1片)を加えてよく混ぜるだけだ。あとは自分の好みに合わせて、小さじ1くらいをイェミスタの上にかけて食べる。
いつ食べても最高なイェミスタ… 夏は特に美味しい
父と完成したイェミスタ。
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イェミスタはトマトが旬を迎える夏にぴったりの料理だ。オーブンで焼いたトマトの食感がわたしは大好きで、トマトはジューシーで甘い。子どもの頃は、両親はイェミスタをトマトとピーマンの両方で作っていたけれど、わたしはいつも"トマト派"だった。
さっぱりしているのに、満腹感が得られるところもイェミスタの魅力だとわたしは思っている。米と牛肉の組み合わせは元気をくれるし、色鮮やかでヘルシーなイェミスタはギリシャ人が愛してやまない地中海食を代表する一品だ。手軽に作れて、皆に喜ばれる料理でもある。わたしの親友も高校時代、うちに夜ごはんを食べに来ると必ずイェミスタをリクエストしていた(そして今でもその話をしている)。
父のイェミスタが何十年もの間わたしに与えてくれたような喜びと安らぎが、このレシピに挑戦した人にももたらされることを願っている。