新商品「みらいデリ」のラインナップ。
撮影:杉本健太郎
セブンイレブンが7月14日から全国の店舗で、代替プロテインや「工場野菜」を使用した新たな商品シリーズ「みらいデリ」を展開する。「セブンイレブンの日」の7月11日、記者会見を開いた。
新たに発売するのは、「みらいデリ おにぎりツナマヨネーズ」(税込151円)、「みらいデリ ナゲット(5個入り)」(税込259円)、「みらいデリ ロメインレタスのシーザーサラダ」(税込378 円)、「みらいデリ やわらかほうれん草とベーコンのサラダ」(税込367円)の4品。
サラダは天候や季節に左右されない環境を整え、野菜を安定供給できる次世代型植物工場で生産された工場野菜を使用している。
左から、DAIZ社長の井出剛氏、味の素社長の藤江太郎氏、セブンイレブンジャパン社長の永松文彦氏、舞台ファーム社長の針生信夫氏、一般財団法人日本GAP協会理事長の木内博一氏。
撮影:杉本健太郎
会見にはセブンイレブンジャパン社長の永松文彦氏のほか、商品開発に関わった企業の代表らが顔を揃えた。味の素社長の藤江太郎氏、DAIZ社長の井出剛氏など、大企業から代替肉スタートアップまで顔ぶれは幅広い。
セブンイレブンによると「みらいデリ」開発の目的は環境負荷を減らすことと原材料の安定供給のためだという。一体どういうことなのか。
背景に環境への配慮と原材料不足への対応
セブンイレブンジャパン商品本部の齋藤氏は、「2050年には人口が約100億人に達するとも言われる」とし、
「人口増加に加え、気候変動等の問題もあり、輸入原材料は逼迫が予測されています。それに対し、国産原材料の取り組み強化やプラントベースプロテインの取り組みを進めてまいりました」
と背景を語った。
プラントベースプロテインはセブン、DAIZ、味の素の共同開発だが、代替肉に対する「美味しくないという声」「認知度の低さ」は認識しており、 大豆特有の臭いを消し、品質の高い独自の食感を出すことにこだわった。
おにぎりについては2年以上、ナゲットについては1年以上の開発期間を要したという。
「みらいデリナゲット(5個入り)」特に代替肉という表示はない。
撮影:杉本健太郎
「知らずに食べて美味しいと思ってもらえると」
ナゲットについては、14日以降すべての商品が「みらいデリ ナゲット」に切り替わるが、おにぎりについては、従来のツナマヨと「みらいデリ おにぎりツナマヨネーズ」が併売される。それぞれの商品にどの程度のプラントベースプロテインが含まれているかは「社外秘」だ。割合については客の反響を見ながら順次調整していくとした。
パッと見では代替プロテインを使っていることがわからないパッケージだ。
撮影:杉本健太郎
DAIZの井出社長も強調していたが、今回の商品開発においてこだわったのはとにかく「美味しさ」だ。そのために「代替肉100%使用」という固定観念を捨て、代替肉と肉や魚をハイブリッドさせることで美味しさを実現した。そのためパッケージでも「代替肉」「SDGs」「環境」といった文言はあえて使用していない。
「(代替肉と知らずに)食べてみて『美味しいなあ、実はこれって(代替肉)なんだな』みたいなところも感じていただけるといいのかな」と齋藤氏は記者の質問に答えた。