TWOは、新しいプラントベースプロテイン「2Protein」を発売する。
撮影:小林優多郎
プラントベースフード関連商品を開発するTWOは、味の素と開発したプロテイン新製品「2Protein」(トゥープロテイン)の販売を18日から開始する。
2Proteinは、今までTWOが開発してきた商品と同じく原料として大豆を採用したプラントベースのプロテイン。ロイシン高配合必須アミノ酸全9種が含まれた味の素の「Amino L40」も配合している。
また、TWOの植物食品ブランド「2foods」としては初めてコンビニエンスストアでも販売される。コンビニについては発売当初は主に首都圏に限定されるが、TWO広報は「順次拡大予定」としている。
日常使いのプロテインを目指すTWO
2Proteinのパッケージ。
撮影:小林優多郎
TWOは今まで代替卵の「Ever Egg」や植物性ナゲットの「Ever Chicken Nugget」など、動物性の素材を使わない食品を開発、直営店のカフェやスーパーなどで販売してきた。
そんなTWOにとって、トレーニングや健康分野の商品である「プロテイン」は初めての試みだ。同社が狙うのは「筋肉トレーニング」の現場ではなく、その手前の潜在的な健康を意識し始めている層だ。
2Proteinの狙い。
撮影:小林優多郎
そのため、効能だけではなくプロテインの形状とプロモーションにも力を入れる。
2Proteinには「タブレット」と「パウダー」の2種類形状があり、タブレットはそのまま、パウダーは好きな飲み物や食事に振りかけることを想定している。シェイカーなどは使わず日常生活のさまざまなシーンで摂取できることを重視した。
写真左から池田エライザさん、TWOの東代表。
撮影:小林優多郎
合わせてプロモーションも日常生活をイメージしたものを制作。俳優の池田エライザさんを起用したCMでは、池田さんがオフィスのエレベーターの前で、片足上げ運動をする様子が映されている。
2ProteinのCM映像。
出典:TWO
14日の発表会に登壇したTWOの東義和代表は、アメリカでのプラントベースプロテイン市場の成長率や、国内のタンパク質市場、ヘルスケア産業市場の拡大に触れつつ以下のようにその戦略を説明した。
「プロテイン市場は魅力的で野心的なマーケット。2Protainで新たなプロテインの価値を付加して、存在感を出していきたい」(東代表)
気になる「味」と「コスパ」は?
「(昔に比べて)サステナブル、エシカル、動物に優しいブランドを選べるようになった」と運動しながら語る池田エライザさん。
撮影:小林優多郎
気になるのは、食品としての「味」。そして、価格に対する有用性、すなわち「コストパフォーマンス」だ。
味に関しては主観によるところが大きいので省略するが、タブレットを試しに食べてみたところ、基本はレモン風味で噛み砕くと独特の苦味が広がるといった具合だった。
東代表は2Proteinの最も苦労したポイントとしてこの苦味を上げており、「アミノ酸は苦味がある。苦味をマスキングすることは非常に難易度の高いものだった」と説明している。
味の素の副社長兼、アミノ酸開発を始めとした研究開発統括を務める白神浩氏(左)と握手をするTWOの東代表(右)。味の素は「Amino L40」を開発している。
撮影:小林優多郎
コストパフォーマンスについては、やや苦戦しそうなところではある。
TWOのリリースでは2Proteinはタブレットは7粒、パウダーは1包で「ホエイプロテイン20グラムと同等のトレーニングによるカラダづくりをサポ ートする」としている。
TWOはタブレット7粒で「ホエイプロテイン20グラムと同等のトレーニングによるカラダづくりをサポ ート」するとしている。
撮影:小林優多郎
2Proteinの価格は7粒入りのパッケージが248円、パウダー3包入りのパッケージが561円(いずれも税込)だ。
例えばホエイプロテインを含む明治の「ザバス」(パウダー)の場合、グラム単価は4〜7円程度。
ホエイプロテイン20グラムと同等の効果と言うところで合わせるならば、ザバスは安いもので約110円(約28グラムでたんぱく質約20グラム相当)。2Proteinのタブレットは248円、パウダーなら187円と、価格は2Proteinの方が高い。
東代表は2Proteinの販売目標について「野心的な目標」としつつ「(国内のタンパク補給商品市場の中で)5年間で5%のシェアをとっていきたい」と述べている。
直球で現状のプレイヤーとは戦わない「日常使い&プラントベースのプロテイン」戦略が功を奏すか、今後のTWOの展開に注目だ。