新しいアプリのThreadsは2023年7月5日にローンチされた。
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Instagram(インスタグラム)はThreads(スレッズ)の初期の成功に浸っているが、すでにこの先を見据えている。
このテキストベースのアプリは、2023年7月5日(アメリカ東部時間)のローンチ以来、現在1億人以上のユーザーが登録しているが、現在、いくつかの新機能のリリースに向けて準備を進めている、と匿名を条件に取材に応じた4人のクリエイターエコノミー業界の関係者は明かす。
Instagramは、選ばれたクリエイターやタレントのマネージャーに、今後どんなサービスが出てくるのかを垣間見れるような解説用の文書を配布している。
Instagramが出したThreadsに関する13ページの文書には、新アプリの使い方からMastodon(マストドン)との統合がどのようになるかということなど、あらゆることが解説されている。この文書の存在は、UCLAエクステンションの非常勤教授であるリア・ハバーマン(Lia Haberman)によって最初に報じられた。
あるクリエイターは、公人、著名人、ブランド企業、コンテンツクリエイターとの関係を扱うメタのパートナーシップチームから文書を受け取ったとInsiderに語った。
現在、“Instagram版Twitter”とでも呼ぶべき存在であるThreadsが提供する機能は、最低限のものだ。アプリ内で直接DMを送ることはできないし、ハッシュタグも機能せず、コンテンツを検索したり、トレンドトピックを見たりする方法もない。
ただ、Instagramは改善を求めるユーザーの声に耳を傾けているようだ。
Instagramの責任者であるアダム・モッセーリは、ユーザーのフィードバックに応えるため、時折アプリにコメントを投稿している。モッセーリは7月11日にThreadsに投稿し、Instagramのチームはフォローフィードや検索機能の強化など、アプリに「明らかに欠けている機能」を付けられるように注力すると述べている。
Insiderが入手した13ページの文書には、トレンドとトピック、検索、メッセージングの3つのアップデートをすることが具体的に記されている。
また、リリース前に大々的に宣伝されていた分散型機能もThreadsで「近日リリース予定」と文書に書かれている。
「Mastodonを支えるプロトコルであるActivityPubのサポートをこのアプリに組み込むことにコミットしています」と、モッセーリはアプリのローンチ時にThreadsに投稿した。
「分散型ネットワークに付随する多くの複雑さを考えると、ローンチ時にそれを完成させることはできませんでしたが、もうすぐ登場します」
コンテンツクリエイターやタレントマネージャーに送られた文書は、Mastodonとの統合が間もなく実現することを示唆している。
以下で、13ページにわたる独占ドキュメントを紹介しよう。なお、Insiderはメタにコメントを求めたが回答は得られなかった。
ThreadsはInstagramを使ったメタの新しいアプリ
Screenshot of Threads for creators document, shared with Insider.
Instagram上のThreadsのキャッチフレーズ:「InstagramのThreadsでより多くのことを伝えよう」
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Instagramの文書には、Threadsの4つの重要なセールスポイントが挙げられている。
視点の共有
テキストでスレッドを立ち上げ、意見を共有したり、会話を始めましょう。リンク、写真、カルーセル、動画を添付してください。返信にジャンプしてアクションに参加し、他の人のコメント、ユーモア、インサイトに反応しましょう。
Instagramアカウントでログイン
Instagramのユーザー名と認証バッジはあなたのために予約されています! そして、すぐにオーディエンスを作ることが可能です。ワンタップで、誰でもInstagramでフォローしているアカウントをフォローできます。
会話をコントロール
設定をカスタマイズし、コントロール機能を使ってノイズを調整し、誰があなたのコンテンツを見ることができるか、あなたのスレッドに返信できるか、あなたをメンションできるか管理しましょう。ブロックしたアカウントはInstagramから引き継がれ、同じコミュニティガイドラインが適用されるため、誰もが安全かつに偽りのない形で交流することができます。
新しいオーディエンスにリーチ
より多くのコンテンツを発見し、より多くのオーディエンスにリーチする方法が間もなく登場します。今後追加される機能では、Mastodonのような分散型アプリやサービスのユーザーを検索、フォロー、交流することができるようになり、その逆も可能になります。さらに、クリエイターには、まだフォローされていない人にレコメンドされる権利が付与されるかもしれません。
Instagramはクリエイター向けの機能が充実
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文書でThreadsへの参加方法を説明
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次に、Threadsの始め方を説明している。その手順は以下の通りだ。
シングルサインオン
シングルサインオン機能を使って、Instagramのアカウントを使り、Threadsにログインします。
Instagramからのフォロー
人々は事前にあなたをフォローすることが可能なので、あなたがプロフィールを作成した時点で、あなたにはすでにフォロワーがいます。
プロフィール
ユーザー名があなたを待っています! あなたのプロフィールと認証ステータスも引き継がれます。
クリエイターは自分のフィードに投稿したり、他のユーザーを検索することができる
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現在、コンテンツを見る方法はフィードしかない。検索もユーザーを探すだけに限られている。以下がスライドの内容だ。
フィード
フィードには、あなたのコネクションからのコンテンツだけでなく、クリエイターに特化してレコメンドされるものも含まれます。
検索
フォロー候補も含め、検索を通じて新しいアカウントを発見します。
Threadsは 「テキストに特化した」アプリだが、写真や動画を含めることもできる
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文書によれば、スレッドでコンテンツを作成するということは「会話」を始めることだ。スライドにはこう記されている。
テキスト中心のシェア
500文字までのスレッドを作成しましょう。
添付
長さ5分までのリンク、写真、カルーセル、ビデオ
「いいね!」と「返信」
人々は「いいね!」と「返信」を使って、あなたのコンテンツに参加することができます。
Instagramでスレッドにコンテンツを再投稿したり、引用する方法を説明
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スレッド上のコンテンツの再投稿や引用は、Twitterのやり方と非常によく似ている。
Threadsにもコンテンツや、返信をブロックしたり制限をかけるなどのプライバシーコントロール機能がある
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同文書によると、クリエイターがThreadsの体験と交流をコントロールする3つの方法は以下の通り。
クリエイターによるコントロール
リプライをコントロールしましょう。フォローしているアカウントのみ、@で言及されたアカウントのみから選択できます。
@メンションをコントロールする
自分のアカウントに@をつけることができる人を設定からコントロールできます。
簡単にブロックと報告ができます
ブロックしたアカウントはInstagramから引き継がれるので、すでにブロックしたアカウントを再度ブロックする必要はありません。また、報告する機能もあります。
Instagramのコミュニティガイドラインと安全機能をThreadsにも適用
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Threadsの利用者は、アカウントを保護し続けるために二要素認証(two-factor authentication: 2FA)を利用することができる。以下は、Threadsの安全性に関する文書だ。
2要素認証(2FA)
2FAを使用してアカウントを安全に保つことができます 。
コミュニティガイドライン
InstagramのコミュニティガイドラインはThreadsでも適用されます。
単語を隠す
見たくない単語やフレーズを隠すことができます。
Instagramは今後追加される機能についても予告
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Threadsは間もなくMastodonと互換性を持つようになる
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Threadsは分散型機能を持たずにスタートしたが、このアプリは間もなくMastodonのような他のテキストベースのプラットフォームを統合する予定だ。文書によると、統合に関するInstagramのビジョンは以下の通りだ:
- 他のアプリのユーザーをフォローし、フォローされます。
- あなたがフォローしているMastodonユーザーのコンテンツをあなたのフィードアプリで見ることができ、他のスレッドのように交流することができます。公開アカウントや非公開アカウントでMastodonのフォロワーを承認している場合、あなたのコンテンツもMastodon上に表示されます。
- ユーザーのプロフィールを検索し、Threadsから離れることなくMastodonでフォローすることが選択できます。
ThreadsからMastodonにフォロワーを連れて行くことができる
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InstagramのThreadsとその分散型プロトコルの売り込みの一部は、クリエイターが選択した場合、そのフォロワーを他の場所に連れて行くことができるというものだ。以下は、Instagramが文書でこの機能を説明したものだ。
- Threadsの各プロフィールはドメイン名(jiho100x@threads.net)を持っており、Mastodonのような他のサービスで閲覧される際に、そのコンテンツが関連付けられます。
- 自分のデータを所有することができるので、いつでも自分のプロフィールやコンテンツを他のサービスに移動させることができます。
トレンドコンテンツ、検索、DMのアップデートが次の議題
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Threadsは現在は最低限のものになっている感があるが、これからさらに充実していきそうだ。
「まだ皆さんに共有できることは多くありませんが、クリエイターからのフィードバックを通じてさらなる改善に取り組んでいます」と文書には記されている。
文書によると、Instagramがクリエイターに「近日公開」と予告しているものは以下の通り。
- トレンドとトピック
- 検索の改善
- メッセージング