EcoDent(エコデント)コンパクト Amazonにて税込286円
撮影:美里茉奈
歯科検診に行ったら「歯の根元が傷ついていますね。もう少し優しく歯みがきしてくださいね」と指導された。気を付けているつもりだったが、つい力が入ってしまっているらしい……。
そういえば、歯ブラシは毎日使うものなのに、これまで主に価格重視で選んできたことに気が付いた。
「価格も大事だが、歯ブラシの機能や材質についても少し調べてみよう」と思い見つけたのが「EcoDent(エコデント)」だ。
柔らかいのにコシのある毛先
撮影:美里茉奈
まず注目したのは毛先だ。
先が細くなった毛と、フラットな毛を2種類植毛しているので、細い毛先が歯と歯茎の間に入って汚れを取る仕組みになっている。さらにそれぞれの毛はスパイラル加工になっていて、毛先に加えて側面の凹凸でも汚れが取れるのだ。
実際に指で押してみると、毛先のしなやかさがより分かる。
撮影:美里茉奈
歯ブラシは鉛筆のように持ち、毛先がしなる程度の弱い力で磨くのが理想だと聞いたことがある。だが、それでは頼りない気がしてつい力を込めてしまっていた。ゴシゴシするとキレイになるような気がするからだ。
しかし「エコデント」の毛先は、柔らかいのにコシがある。弱めの力でも、ちゃんと歯と歯茎の隙間に細い毛先が届いてしっかり磨けた。
私は、奥歯まで歯ブラシが届きやすいようにコンパクトサイズを購入したが、ヘッドが大きめのレギュラーサイズもあるので、好みに合わせて選ぶと良いだろう。
柄の一部に廃棄米を使用
見た目も使った感じもプラスチックと遜色がないのも特徴だ。
撮影:美里茉奈
「エコデント」を選んだ理由は、「磨きやすそう」ということのほかにもう一つ。
歯ブラシの柄の一部に、食用に適さない古米や米菓メーカーで発生する破砕米など、 飼料にもできず廃棄されてしまうお米を活用した「ライスレジン®」という国産のバイオマスプラスチックを使用しているのだ。
ライスレジン®は、サステナブルな素材として、国際連合工業開発機関(UNIDO)が提供するサステイナブル技術普及プラットフォーム「STePP」にも登録されるなど注目を集めている。
サステナブルな素材は、環境に良くても価格が高くなりがちなデメリットがあるが、「エコデント」は税込286円(Amazonにて2023年7月20日現在)。
歯科医推奨の機能性を打ち出した歯ブラシとしてはむしろ安価ではないだろうか。
サステナブルな歯ブラシの欠点は……
撮影:美里茉奈
サステナブルな素材を使用した歯ブラシというと、竹などの自然素材の歯ブラシはホテルのアメニティで見たことがある。しかし、バイオマスプラスチックを使用した歯ブラシが存在することは知らなかった。
というのも、近隣の大手スーパーやドラッグストアなどをいくつか回ってみたが、私が住む地域ではサステナブルな素材の歯ブラシが店頭になかったのだ。
日常的に目に触れる、購入しやすいところになければ、なかなか普及しない。せっかく良い品があっても、広まるまでにはまだ時間がかかりそうだ。
身近なところから少しずつ脱プラスチック
撮影:美里茉奈
日本では可燃ごみとして処理されることが多い歯ブラシ。年間で4億本ほどの歯ブラシが捨てられているとも言われている。一つひとつは小さいゴミでも、集まれば膨大な数だ。
日常生活の便利さとコストを考えると、生活用品の全てをすぐにサステナブルな素材にするのは難しい。しかし、少しずつでも代替製品に置き換えていけば、全体量が減らせるし、より質の高い素材の開発にも繋がるのではないだろうか。
毎日使う消耗品についても、買い替え時にサステナブルな視点を持って見直してみようと思う。
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