ブルームバーグが最初に報じたところによると、アップルは「Apple GPT」と呼ぶ独自のAIチャットボットの開発に取り組んでいるという。
Kevin Dietsch
- アップルは新たな人工知能ツールの開発に取り組んでいるとブルームバーグが報じた。
- アップルがAIチャットボットの背後にある大規模言語モデルを作成したという。
- 報道によると、同社の一部の人々はこの新しいチャットボットを「Apple GPT」と呼んでいる。
アップル(Apple)は、OpenAIのChatGPTやグーグル(Google)のBardに対抗するため、独自の人工知能(AI)ツールを開発していると関係者がブルームバーグに語った。
これは、ティム・クック(Tim Cook)CEOが新たなAI戦争で今のところ抜きん出ている2つのリーダーと正面から競争する準備をようやく整えたということのようだ。
ブルームバーグの報道によると、アップルは「Ajax」と呼ぶ大規模言語モデル(LLM、AIチャットボットを支えるシステム)の基盤となるフレームワークの開発を終えたという。
情報筋がブルームバーグに語ったところによると、同社がAjaxを構築したのは、生成AI技術の急速な進歩に対応するため、機械学習開発の基盤を確立するためだという。
現在、同社はAjaxを使ってChatGPTに似たAIチャットボットを作成しており、一部の従業員はこれを 「Apple GPT」と呼んでいるという。
アップルはInsiderのコメント要請に応じていない。
アップルが独自のAIツールを開発するのは、AIの誇大宣伝に便乗し、最近独自のAIチャットボットをリリースしたグーグルやマイクロソフト(Microsoft)のような大手テック企業に対抗するための努力の一環のようだ。
「この分野には、我々が行っている事実上すべてのことに影響を与える大きな可能性があると考えている。それは我々が所有するすべての製品とすべてのサービスに影響を与えるだろう」
クックCEOは、2月の決算説明会でこのように述べた。
これまでのところ、アップルは一部のApple Watchに搭載されている「落下検知」や、特定のデバイスに搭載されている「衝突検知」といった機能にAIを組み込んでいる。
「これらは素晴らしい機能であるだけでなく、人々の命を救っている」とクックは5月の決算説明会で述べた。
それでも、アップルは新しいAI製品の発売を急ぐつもりはないようだ。
クックCEOは、テック業界を席巻するAIの波を「巨大なもの」と呼ぶ一方で、AIを導入する前に安全性を徹底的にテストする必要があると述べている。
クックCEOは5月の決算説明会で、「このようなものにどうアプローチするかは、慎重かつ思慮深くあることが非常に重要だ」と述べた。
それでも、一部の技術専門家は、アップルはAIで出遅れすぎたかもしれないと考えている。
技術アナリストでストラテジストのマイケル・ガーテンバーグ(Michael Gartenberg)は、アップル端末ユーザー向けのAI音声アシスタントであるSiriのような機能が、世に出回っている最新の生成AIツールよりもはるかに進んでいないことを考えると、アップルはAIの面で遅れをとっていると指摘した。
「人工知能、特にSiriに関しては、アップルはこの分野のリーダーから遅れをとっている」とガルテンバーグは書いている。
しかし、投資家はそう思わないかもしれない。アップルの株価はブルームバーグの報道を受けて急騰し、午後の取引では市場全体が0.3%の上昇だったのに対して0.8%上昇した。