ジュニアNISAの終了はチャンス!? 今後も非課税の恩恵を受けるための3つの選択肢

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ジュニアNISAの廃止まであと半年。そろそろその後のことを考えておきたい。

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  • ジュニアNISAの廃止は、必ずしもピンチではない。ここはチャンスと捉えたい。
  • 今後も非課税の恩恵を受けるための選択肢として、最も簡単な方法は「18歳になるまで放置」だ。
  • それ以外にも、親の新NISA枠でジュニアNISA投資予定分を運用したり、ジュニアNISA口座を解約して親の新NISAで”再投資”も検討できる。

ジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)が、2023年末で廃止となる。それまであと半年を切った。

2023年3月末時点におけるジュニアNISAの口座数は81万4643。普及率はそれほど高くないが、今後どうすれば良いのか頭を悩ませる保護者も多いだろう。

筆者も2020年に、当時2歳だった子どもの教育資金用に、ジュニアNISA口座を開設した。だが、当初の運用終了予定だった2024年を前に、制度そのものが終了してしまう。そのためジュニアNISAの「代替戦略」を探してみた。

そもそもジュニアNISAの特徴と制限とは

本題に入る前に、ジュニアNISAについて簡単におさらいしておこう。この制度には以下のような特徴や制限があった。

  • 非課税投資枠:新規投資額で毎年80万円が上限
  • 非課税期間:最長5年間
  • 投資可能期間:2016年~2023年
  • 払い出し:18歳までは払い出し制限あり

わが家の場合、2020年に口座開設していたため、ジュニアNISAが現行のままだったら非課税投資可能期間は2024年末までだ。その時点で子どもは18歳未満なので、ジュニアNISAの資金は継続管理勘定へ自動的に移管される。その後、払い出し時に非課税の恩恵を受けるには、子どもが18歳になる前年の2035年末まで待たなくてはならなかった。

ところが、このたびの制度廃止により払い出しの期間制限が撤廃された。2024年以降であれば、いつでも非課税で払い出しが可能になったのだ。つまり「18歳になるまで放置」しかなかったところに、選択肢が増えたとも考えられる。

今後も非課税の恩恵を受けるには?

つまり、ジュニアNISAの廃止は必ずしもピンチではない。ここはチャンスと捉えたいところだ。そこで今後も非課税の恩恵を受けるための選択肢を探してみた。

1:そのまま子どもが10代半ばになるまで放置

最も簡単な方法は、ジュニアNISA廃止前と同じ「18歳になるまで放置」だ。どの証券会社でも、2023年末以降はジュニアNISAは継続管理勘定へと自動的に移管されるため、手続きは不要である。

2024年以降ならば非課税で払い出しもできる。そのため、18歳を迎える前によりメリットの大きな選択肢が登場した場合にも、柔軟に対応できるはずだ。

なお、子どもが10代半ばに差し掛かり、ジュニアNISAの資金がある程度の目安まで到達していたら、早めに利確することも検討しておきたい。その後、資金がさらに殖える可能性はもちろんあるが、逆に暴落する可能性もあるからだ。

ちなみに教育資金としての目標額には諸説ある。あえて目安を挙げるとしたら、大学入学から卒業までの学費は国立大学で約200万円、私立大学で約400万〜500万円と言えそうだ。

2:親の新NISA枠でジュニアNISA投資予定分を運用

ジュニアNISAは廃止されるが、周知のとおり、2024年から新しいNISAが始まる。とは言え残念ながら、これまでのNISAとは別制度のため、子どもが2023年内に18歳になっていたとしてもジュニアNISAから新NISAの非課税枠への移管不可能だ。

しかし新NISAでは、年間投資枠、非課税保有期間、非課税保有限度額などが拡充された。つまり、これまでのつみたてNISAの非課税投資枠(年間40万円)とジュニアNISAの非課税投資枠(年間80万円)を足しても、新NISAの「つみたて投資枠」の年間投資枠(年間120万円)内に収まるのだ。

そこで、既存のジュニアNISAは放置したまま、これまでジュニアNISAへ投資していた金額を親の新NISA枠で合わせて投資するという手も打てる。これも新NISAの登場によって生まれた、新しい選択肢だ。しかも、5年限定だった投資期間が大幅に延長できることになる。

また、ジュニアNISAと旧NISAでできていたように、教育資金と老後資金を区別するためにはそれぞれ別の銘柄の株式や投信を購入するという方法もアリだろう。これまでジュニアNISA・旧NISAを利用していなかった人でもこの方法は選択可能だ。新NISA口座を開設し、親名義で子どもの教育資金用に投資すればいい。

3:ジュニアNISA口座を解約し、親の新NISAへ”再投資”

ジュニアNISA口座の累積分を2024年になってから解約して現金化し、親の新NISA枠を使って投資するという方法もある。これまでの蓄積分を原資に再投資することで、新たな投資をせずとも、新NISAの非課税枠を活用できるのだ。

注意点は、投資目的での資金移動は贈与税の対象となることだ。私の場合は、ジュニアNISAでの運用額は贈与税の基礎控除額110万円以下のため、気にせず済む。だが、もしすでに基礎控除額を超えているようであれば注意が必要だ。数年にわたり分割して移動するなど、税負担を抑える方法を考えてから行うのが得策だろう。

「出口戦略」は、どう捉えればいいのか?

2024年からの方針は見えてきたものの、その先にある、子どもが18歳になったときの対応も頭に入れておきたい。しかし今後も制度改革・ルール変更があることが考えられるので、現時点よりも選択肢が増える可能性も十分あるだろう。

ひとまず現状で知っておくべきルールは以下の2点だ。

1:ジュニアNISAの継続管理勘定は、新NISAへ移行不可

旧NISAでは、ジュニアNISA口座を持つ子どもが18歳である年の1月1日に、自動的にNISA口座が開設され、ジュニアNISAで保有していた金融商品をそちらへ移行できた。しかし、前述のように新NISAは旧NISAと別制度のため、ジュニアNISAの資産を新NISAへ移行できない。ジュニアNISAの資産は「課税口座への払出し」または「すべて売却」を選択する必要がある。

2:教育資金として使うのであれば、贈与税は不要

私の場合、ジュニアNISAの目的は進学時の教育資金だったので、18歳時点の入学金などに充てようと考えていた。親の新NISAで運用した資金を子どもの教育資金として贈与する場合、都度贈与であれば贈与税はそもそもかからない。

また、1500万円までの教育資金の一括贈与には、2026年度末までの期間限定だが非課税制度もある。もし1500万円以上になった場合や、教育資金以外の費用として子どもへ移す可能性があるときは、あらかじめ方法を考えておく必要があるだろう。私の場合はあまり縁がなさそうだが、考えられるようになりたいものだ。

まとめ

ジュニアNISAの口座開設は2023年9月まで、新規投資は2023年12月まで可能だ。教育資金作りの選択肢として利用できるラストチャンスと言える。

だがジュニアNISAで新規購入できる期間は実質1〜2カ月。その短期間で結果を出すには、それなりにハードルが高い。もしまだ口座未開設だったら、焦らずに親名義の新NISAの非課税枠を活用したほうがよいかもしれない。

※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。

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