東京ディズニーランドのシンデレラ城。
撮影:Business Insider Japan
新型コロナ感染症の感染症法上の位置づけが「5類」に移行されてから最初の夏がやってきた。
「ノーマスク、行動制限なし」の中、夏休みを利用してレジャー施設に出かけようと思っている人も多いだろう。
こうした中、遊園地や水族館などのレジャー施設のうち、約4割が料金を値上げしているという調査結果を、帝国データバンクが発表した。
テーマパークのチケット料金をめぐっては、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの大人料金が1万円の大台を超える値上げを発表して話題となったばかりだが、値上げは名物テーマパークだけにとどまらないようだ。
調査名:2023 年「主要レジャー施設(テーマパーク)」価格調査
調査対象:国内 190 の主要レジャー施設(遊園地・テーマパーク・水族館・動物園)
調査実施者:帝国データバンク
コスト増でやむなく
10月1日からディズニーランドの値上げを知らせるニュースリリース。変動制の最高価格はこれまでの9400円から1万900円になる。
撮影:Business Insider Japan
帝国データバンクの調査によると、国内 190 の主要レジャー施設(遊園地・テーマパーク・水族館・動物園)のうち、43%にあたる 82 施設が2022年以降、入場料などの「チケット代」を値上げした。このうち、全体の 32%にあたる 61 施設は2023年中の値上げだ。
2023 年に値上げする施設のうち、最も値上げする施設の割合が多いのは「遊園地」。76施設のうち約4割にあたる28施設が値上げとなった。
2023年に値上げする施設に聞いた理由は「水道光熱費の増加」が27施設で最も多く、7割を占めた。次いで「物価・諸経費の上昇」(14施設)、「餌代、飼料代の上昇」(10施設)など、コスト上昇に伴う「やむを得ない値上げ」となった。
一方で、東京ディズニーランド・ディズニーシーに代表されるような「混雑緩和のため」という理由も4施設に上った。
調査によると、チケットの値上げは見送ったものの、駐車場代や場内でのフード・ドリンクサービスの値上げなどでコスト増に対応する動きも見られた。
フリーパスチケット、4200円超の高額化
ポンプ代など光熱費がかさみやすい水族館は、入場料が平均79円の値上げとなった。
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施設別の平均価格の上昇率を見ていくと、平均入場料の値上げ幅が最も大きかったのは水族館で、2022年と比較して79円の値上げとなった。平均のチケット価格は1958円と2000円に迫る。
テーマパークと遊園地の上昇幅は70円、動物園は69円と続いた。
遊園地では、アトラクションなどの乗り物に乗る際に必要な「フリーパス」の値上げ幅が大きかった。フリーパスは2022年の平均価格が4007円だったのに対し、2023年は4213円と206円上昇した。
調査では、「最繁忙期・閑散期間で 1000 円以上の幅がある料金体系など『変動価格制』を導入する動きが大手を中心に進み、終日滞在が可能なフリーパスチケットを中心に高額化が進んでいる」と分析する。
テーマパークに限らず、飲食や小売り業なども値上げに踏み切る動きが続いている。相次ぐ値上げは、夏のお出かけ先選びにも影響を及ぼしそうだ。