干ばつに負けない… アメリカではNASAの技術を使って「リサイクルした廃水」でビールを作る醸造所も

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Lucy Nicholson/Reuters

  • アメリカのカリフォルニア州では、ある醸造所がリサイクルされた廃水を使ってビールを作っているとニューヨーク・タイムズが報じた。
  • この醸造所は、宇宙飛行士たちが宇宙で水をリサイクルするためにアメリカ航空宇宙局(NASA)が開発した技術を使っている。
  • アメリカ西部では干ばつ対策として同様の取り組みをする醸造所が増えている。

アメリカ西部では干ばつ対策として水道水からリサイクルされた廃水に切り替える醸造所が増えていて、カリフォルニア州には宇宙飛行士たちが利用しているのと同じ技術を使っている醸造所もある。

カリフォルニア州ハーフムーンベイにあるハーフムーンベイ・ブリューイング・カンパニー(Half Moon Bay Brewing Company)ではNASAと協力し、宇宙飛行士たちが宇宙で廃水をリサイクルするために使っているのと同じ技術を利用していると、ニューヨーク・タイムズに語った

リサイクルされた廃水は、実は醸造所が現地で手に入れられる水よりもきれいなことが多いと複数のオーナーが同紙に話している。そして彼らの主張は、環境工学者たちによって裏付けられている。スタンフォード大学の教授ウィリアム・ミッチ(William Mitch)氏は2022年、逆浸透膜を使って廃水をリサイクルすると地下水と同じくらい、場合によってはそれ以上にきれいな水が得られるとの研究結果を発表した

とはいえ、消費者の間にはまだ嫌悪感が残っている。ただ、リサイクルされた廃水の味は水道水と変わらないと醸造会社のクリス・ギャレット(Chris Garrett)氏はニューヨーク・タイムズに語っている。

研究者たちは、水のリサイクル技術の効率をさらに高めようと積極的に取り組んでいる。6月には国際宇宙ステーションの科学者たちが初めて自分たちの廃水の98%をリサイクルすることに成功したとNASAが報告している

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