ソニーはハイエンドワイヤレスイヤホン「WF-1000XM5」を発表した。カラーはプラチナシルバーとブラックの2色展開。
撮影:小林優多郎
ソニーは7月25日、新型ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM5」を発表した。9月1日に発売、実売価格は4万2000円前後(税込)の見込み。
WF-1000XM5は、ソニーの最上位ワイヤレスオーディオ「1000X」シリーズで4世代目の完全ワイヤレスイヤホンになる(本機はM5ではあるが、M2は欠番のため)。
前世代の「WF-1000XM4」から色などは踏襲しつつ、高音質・高性能化、小型化している。実機でその特徴を確認してみよう。
小型化しつつ音質、ノイキャン性能は向上
「WF-1000XM5」を手で持ってみたところ、前機種までとの印象とはまるで違う。
撮影:小林優多郎
WF-1000XM5を触ってすぐわかるのは、見た目やサイズが大きく異なる、という点だ。
本体サイズに関してはM4が片耳約7.3gだったのに対し、M5が約5.9gと約20%軽量化。M4で特徴的だったマイクが凸形状になっていたデザインも、アルミに微細孔がついたフラットな形状に一新された。
筆者は耳が小さい方で、M4ぐらい大きいと重心次第が外側に傾いてしまい何かの拍子でポロッと落ちることがあった。しかし、M5ぐらい軽量かつ小さければ比較的安心して使えた。
写真左からWF-1000XM5、WF-1000XM4。どちらの機種も連続再生時間はノイズキャンセリングONで最大8時間。
撮影:小林優多郎
なお、バッテリー内蔵の充電ケースもM4に比べてM5は約5%の軽量化、約15%の小型化を果たしている。
もちろん、 小さくなったからといって性能は損なわれていない。
統合プロセッサー「V2」と高音質ノイズキャンセリングプロセッサー「QN2e」という2つのチップセットを内蔵したことで処理能力が向上。M4では左右合わせて4つだったノイズキャンセリング用のマイクが6つに増えた。
写真右がWF-1000XM5に搭載されたダイナミックドライバーX。ドーム部とエッジ部で別の素材を使っているのも特徴的(素材の詳細は非開示)。
撮影:小林優多郎
音質面でもソニーが独自開発した「ダイナミックドライバーX」を採用。大きさ(口径)がM4では6mmだったが、M5では8.4mmと大型化し、音の再現性が向上している。
操作面についても、M4から引き続き高音質化技術「DSEE Extreme」や、対応機器であればハイレゾ級の音質を伝送できる「LDAC」、立体音響を楽しめる「360 Reality Audio」に対応。
統合プロセッサー「V2」と高音質ノイズキャンセリングプロセッサー「QN2e」の2つを搭載。ソニーはWF-1000XM5の発売に合わせて、ヘッドホンの「WH-1000XM5」と一緒に「世界最高ノイキャン」(JEITA基準に則る)をセールスメッセージに加える。
出典:ソニー
M4では発売後のアップデートで対応だった、2台同時に無線接続できる「マルチポイント接続」にも初期段階から対応。PCとスマホなど、BluetoothがつながればOSを問わず切り替えられる。
直販限定、片耳紛失対応の「新保証プラン」も提供
梱包材はWF-1000XM4から引き続きプラスチック素材を使わない独自素材「オリジナルブレンドマテリアル」を採用する。
撮影:小林優多郎
WF-1000XM5は、小型化と高音質・高性能化したこともあり、音にこだわりがあり、ワイヤレスで気軽に音楽を楽しみたいというユーザーにはピッタリの製品だと言える。
一方で、気になるのは価格だ。M4は2021年6月の発表当時3万3000円前後の実売価格だったが、M5では4万2000円前後と、約9000円も値上げされている(いずれも税込)。
見た目やサイズ感、機能はかなり万人におすすめできる完成度だが、価格は躊躇する人がかなり多いだろう。
また値段の高まりも相まってか、ソニーはWF-1000XM5の発売に合わせて、ソニーストア限定の新しい保証プランを展開する。
写真上からWF-1000XM5、WF-1000XM4の背面。電極の数からも小ささがわかる。
撮影:小林優多郎
新保証プラン「ヘッドホン ケアプランワイド」は年額3300円(税込)で、破損や水濡れなどの偶然な事故の修理、片方のイヤホンの紛失などに対応する。
例えばWF-1000XM5の場合、片耳だけどこかになくしてしまったとしても年に1回・5500円(税込)の負担金で代替品を入手できる。修理の場合は、1年に1回は負担金なし、2回目以降は未加入時の料金の半額に抑えられる。
年会費は3300円(税込)だが、ソニーストアで購入したことのあるユーザーや新しくMy Sony IDを取得したユーザー向けに初年度50%オフ(年額1650円)になる施策も実施予定だ。
ソニーはWF-1000XM5以外にも、発売済みの「LinkBuds S」「LinkBuds」「WF-C500」などの完全ワイヤレスイヤホンの複数機種を9月1日以降、「ヘッドホン ケアプランワイド」の対象商品としていく。
ソニーは数多くの企業がしのぎを削る完全ワイヤレス市場で、フラグシップ製品と自社EC向け保証制度をリリースすることで、より存在感を増していく方針だ。
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