イーロン・マスクはペイパルをX.comに変えようとしていた。
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- イーロン・マスクは週末にツイッターをXに改名した。
- 彼は20年以上前、ペイパルでX.comという名前を使いたがっていた。
- しかし、マスクの伝記作家であるウォルター・アイザックソンによれば、ユーザー調査で「いかがわしい」と考えた人が多かったという。
イーロン・マスク(Elon Musk)は「X.com」に、世界を変えようとする進取の気性に富んだ企業の名前を見ている。しかし、ポルノサイトにしか見えない人もいる。
今世紀に入った頃、マスクはピーター・ティール(Peter Thiel)、マックス・レブチン(Max Levchin)とともに立ち上げた、現在ペイパル(Paypal)として知られる会社に、X.com(Twitterの新名称)という名前を使いたがっていた。マスクはこの会社をX.comかX-PayPalのどちらかにブランド変更したかったが、彼の同僚である同社の幹部は反対した。
「フォーカス・グループ(によるリサーチ)では、『X.com』という名前が、礼儀正しい会社では口にしないような、いかがわしいサイトを連想させると示された」と、マスクの伝記の著者であるウォルター・アイザックソン(Walter Isaacson)はツイートした。
ピーター・ティールの伝記『The Contrarian』の中で、著者のマックス・チャフキン(Max Chafkin)は同じ反応について書いている。
「Xはフォーカス・グループ調査を複数回実施し、そのブランド名がポルノを連想させるため、顧客はそのブランド名を嫌っていることが示された」とチャフキンは書いている。
マスクはそれを受け入れなかった。
「ニッチな決済システムになりたいだけなら、ペイパルの方がいい。しかし、世界の金融システムを乗っ取りたいのであれば、Xの方がいい」
アイザックソンのツイートによると、この文字とマスクの歴史は、1999年に彼がX.comを設立し、 その会社が「すべての金融ニーズに対応するワンストップのなんでも屋」 と称した時まで遡る。その時でさえ、マスクの協力者の中には、その名前にポルノ的な意味合いが含まれているのではないかと心配する者もいた。
同社は結局、2000年にマスクが退社したペイパルと合併した。
コメントを求めてもすぐに回答をしなかったマスクは、この社名が持つ意味合いにいまだに無頓着なようだ。
2017年、マスクはペイパルからX.comというドメイン名を購入し、当時のツイートでこの名前には「大きな感傷的な価値がある」とつぶやいた。スペースX(Space X)や最近のxAIなど、マスクのブランドにはXの文字が含まれていることが多い。
Xの文字は現在、マスクがツイッターを買収してから約9カ月後にツイッターのブランド再構築の要になっている。週末、マスクはツイッターのロゴを象徴的な青い鳥から、黒い背景に白いXの文字に変更した。
アイザックソンによれば、マスクにとってツイッターの買収とブランド再構築は、X.comというブランドを確立するための数十年にわたる探求の集大成だった。マスクはアイザックソンに、ツイッターを買収するかなり前からX.comに変身させるつもりであり、新しいプラットフォームには金融的要素も含まれると語っていた。
アイザックソンによると、マスクは2022年10月にツイッターを買収する直前のある日の午前3時半に次のようなメールを送ってきたという。
「私はツイッターを促進剤として使いながら、X.comを最終的にあるべき姿にすることにとても興奮している!」