言語学習アプリDuolingoのソーシャルメディアマネジャーのザリア・パルべス。
Duolingo.
ソーシャル・プラットフォームのアナリティクス企業、Emplifiの最新の調査によると、ブランドがオンラインでのプレゼンスを高めるために一番効果的なのはTikTokだということが明らかになった。一方、リーチとインタラクションでは、Instagramが依然としてトップの地位にあるという。
Emplifiは、Instagram、Facebook、TikTok、Twitterにある数千ブランドのSNSチャンネルを四半期ごとに分析している。同社は、これらのプラットフォームにある数千から数十万に及ぶブランドプロフィールのサンプルを、2022年から2023年と、2023年第2四半期の前年比を比較した。
Emplifiの最高戦略責任者カイル・ウォンは、分析の結果、すべてのプラットフォームでビジュアルコンテンツが増加していることが明らかになったと語る。
「ビジュアルコンテンツは、あらゆるSNS上のフィードで増えています。この傾向は今後も続くでしょうし、将来、SNS上で自然に使われるようになると思います」
以下は、この調査から得られた4つの注目点だ。
1. TikTokはフォロワー数増やエンゲージメントに優れているが、Instagramはより多くのリーチとインタラクションを獲得できる
TikTokとInstagramのメトリックス別の比較
Emplifi
平均的なブランドのTikTokのフォロワー数は、第1四半期と比べ、2023年第2四半期に5倍に増えている。Instagramでは6%の伸びだった。
しかしそれ以外では、リーチ数、インタラクション数、動画再生回数ともに、InstagramのリールがTikTokのコンテンツを上回った。
一方、エンゲージメント率ではTikTokが勝っている。Emplifiでは、投稿のインタラクション数(いいね、コメント、シェア)をアカウントのフォロワー数で割ったものとエンゲージメント率と定義している。
ブランドは、InstagramのリールとTikTokの両方の使用を増やしているという。
「動画はすばらしい創造性を引き出すコンテンツです。YouTubeのショート動画、リール、TikTokなどのショート動画は、これからも使われ続けるプラットフォームになるでしょう」(ウォン)
2. Instagramは、FacebookやTwitterよりもブランドにとって効果的
プラットフォーム別のインタラクション比較
Emplifi
FacebookやTwitterと比ベ、Instagramはブランドにとって、オーガニックな(広告に頼らない)ソーシャルメディア・エンゲージメントを獲得できる大きな原動力だった(EmplifiがTikTokを分析しなかったのは、同プラットフォームの過去のデータが十分でなく、同プラットフォームのプライベートAPIからデータを取得できなかったため)。
ブランドはInstagramでは、2023年第2四半期に平均56インプレッションを獲得したのに対し、Facebookでは9インプレッション、Twitterでは4インプレッションのみの獲得だった。
3. Instagramのリールとカルーセルは、ブランドにとって最もパフォーマンスの高いコンテンツだが、エンゲージメントは低下している
Instagram上の投稿の種類によるパフォーマンス比較
Emplifi
Instagramのリールとカルーセル(複数の画像を使った投稿)は、同プラットフォーム上でブランドにとって最もパフォーマンスの高いコンテンツだった。2023年第2四半期、ブランドによってシェアされたリールは平均75インタラクションを獲得し、カルーセルは74インタラクションを獲得している。
Instagramのリールは、同アプリ上の他のすべてのコンテンツを上回り、1枚の画像投稿より55%、標準的な動画の投稿よりも29%多いインタラクションを獲得した。
しかし、リールのエンゲージメントは過去5四半期連続して減っており、2023年第2四半期には前年同期比で30%減少した。Emplifiは、プラットフォーム上でのビュー数獲得競争が減少につながったと関連付けている。また、2023年1月にInstagramが2022年を振り返り、「動画に集中しすぎた」と認めていることから、2023年には、Instagramのアルゴリズムがリールをそれほどプッシュしない可能性があるという。
4. より多くのブランドがFacebookでリールを使うが、ライブ動画はFacebookで最高のパフォーマンスを発揮
Facebookで、2023年第2四半期にリールを投稿したブランドはわずか7%だった。しかし、利用率は上昇傾向にあり、特にメディアやスポーツ業界のブランドで増えている。
「ブランドは、リールを活用できるようにしなければなりませんでした。彼らがより多くのインフルエンサーや顧客と協力し、たくさんのユーザー生成コンテンツや効果的な縦型動画を作れる仕組みを使うことで、短編動画の投稿は増えていくと思います」
ウォンによると、ブランドはInstagramとFacebookの両方のリールで同時に投稿することが可能なため、リールは、プラットフォームを横断してオーディエンスを見つける手っ取り早い方法になっているという。
それでも、Facebookにおいては、リールは最もパフォーマンスの高いカテゴリーではなく、ライブ動画がオーガニック・ビューでは1位になり、リールは3位だった。
Facebook上の投稿の種類によるパフォーマンス比較
Emplifi
有料コンテンツでは、2023年第2四半期に82%のブランドが広告出稿にFacebookのリールを利用し、前年同期の31%から165%急増した。
広告に関しては、インプレッションのほぼ4分の3がフィードからのもので、リールは広告インプレッションのわずか3%にすぎなかった。