「後悔先に立たず」はミリオネアにも当てはまる。
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- パーソナルファイナンス系ブロガーのジョンは、過去数年にわたって多くのミリオネアにインタビューをしてきた。
- インタビューをするなかで、ミリオネアたちの多くがお金に関して同じ後悔を抱えていることがわかった——20代の頃にもっと貯蓄や投資をしておけばよかった、と。
- 自らの力でミリオネアになり52歳で早期リタイアしたジョン自身にとっても、それは最大の後悔の一つだ。
「後悔先に立たず」はミリオネアにも当てはまる。
パーソナルファイナンスブログ「ESIマネー(ESI Money)」を運営するFIRE達成者のジョンは、過去数年にわたって140人以上のミリオネアにインタビューをした。その結果わかったのは、純資産100万ドル(約1億4000万円)超えという誰もが憧れる経済的成功を収めたにもかかわらず、彼らの多くがお金の使い方、キャリア、私生活について後悔を抱えているということだ。
「致命的な失敗になりうる」
ジョンはまた別ののブログ記事で、インタビューで聞いたお金の後悔のうち最も多かったのはタイミングに関するものだったとしてこう述べる。「ミリオネアたちは、もっと早くからお金を貯めておけばよかったと思っているのだ」
「多くの人にとって、(ある程度)早いうちに貯蓄をしないことは致命的な失敗になりうる。何年(あるいは何十年)もの複利効果を犠牲にすることになるからだ」とジョンは記す。「所得がどの程度でも資産を形成できるこの手段を利用しないことは、大きな大きな後悔につながる」
実際、複利は最も効果的に資産を形成できるツールの一つである。20代(さらにはそれ以前)のうちから数十年後の退職に備えてお金を貯めるなんて早すぎると思えるかもしれない。しかし、複利のおかげでほんの数年でも数万ドル(数百万円)、あるいはそれ以上の差が出ることもあるのだ。
「資産の額ははるかに大きくなっていた」
自身もミリオネアであるジョンは、過去のブログ記事で早期退職への道における自らの失敗を振り返り、20代半ばの間に5年分の貯蓄と投資の機会を逃したと述べている。
「当時の私の純資産に5年間の成長率を加味すれば、控えめに見積もってもおそらく100万ドルくらいになっていた。追加の貯金や投資なしの、複利効果だけによるものだ。昔にもっと貯蓄や投資をしていたら、資産の額ははるかに大きくなっていたのにな」
インタビューを受けた40人目のミリオネアで、純資産額140万ドル(約1億9500万円)の35歳の人物は、早くからちゃんと戦略を立てて運用しなかったことを後悔している。「大学卒業後すぐからもっと貯蓄しておけばよかったし、全部インデックスファンドに投資しておけばよかった」
ミリオネアたちのなかには、誰でも税控除を受けられる個人型確定拠出年金をもっと早くから利用しなかったことを特に後悔している人もいた。「20代前半に仕事が決まったとき、すぐに個人型確定拠出年金を最大限に活用しておけばよかったと思う」と、純資産160万ドル(約2億2400万円)を持つ41歳である48人目のミリオネア48人目のミリオネアは語った。
「10年分の時間とお金を無駄にした」
「できるだけ早く個人型確定拠出年金に拠出しておくべきだった」と、49人目のミリオネアで200万ドル(約2億7900万円)近い純資産を持つ51歳は言う。「2000ドル(約2万8000円)までしか拠出できない期間が長かったとはいえ、それでも複利で増えていっただろう。私は40代になってようやく税制優遇のある口座に拠出しはじめた。なんとも愚かなことだ」
70人目のミリオネアはカリフォルニアのベイエリアに住む純資産265万ドル(約3億6900万円)のシングルマザーで、彼女の場合は働きはじめた頃から企業型確定拠出年金で「まじめに」貯蓄していたにもかかわらず、大きな額の支払いのためにしょっちゅうローンを組んでいたという。
「早いうちから貯蓄と複利効果について理解していなかったのは失敗だった」と彼女は言う。
「お金に関して言えば時間こそが一番大事なのに、私は10年分の時間とお金を無駄にしてしまった。その10年を賢く使っていたら、今頃いくら貯まっていたことか」