アドビは自社の生成AIと同社の看板ツール「Photoshop」を組み合わせた新機能を発表した。
撮影:小林優多郎
アドビは7月27日22時から、写真編集ソフト「Photoshop」に生成AI「Adobe Firefly」に関するアップデートを配信を開始したと発表した。
アップデートの内容は以下の2種類。利用できるのはWindowsおよびMacに対応した「Photoshop ベータ版」になる。
- Photoshop上でのテキストプロンプト(命令文)入力に日本語を含め100言語以上が対応。
- 「Generative Expand(生成拡張)」機能が追加。
ベータ版のため開発中の機能(商用利用は現状不可)という立ち位置だが、有償のCreative Cloud契約中やPhotoshopの無料使用期間中のユーザーであれば追加料金なしで試せる。
日本語に対応+クリエイターの手間を減らす新機能搭載
Photoshop ベータ版に搭載された「Generative fill(生成塗りつぶし)」は、アップデート前は日本語非対応で英語で入力する必要があった(画像はアップデート前のPhotoshop ベータ版で亀の横の白線を生成したところ)。
画像:筆者によるスクリーンショット
前者の日本語対応については、アドビは既に7月12日にFirefly web版で日本語を含む100以上の言語に対応していたが、新たにPhotoshop ベータ版でもそれに追従した形になる。
Photoshop ベータ版では現状、「Generative fill(生成塗りつぶし)」という機能が利用でき、範囲を選択し生成したい内容のプロンプトを入力してAIが生成したコンテンツを配置するといったことが可能だった。
今回のアップデートでは「生成塗りつぶし」に加えて、「生成拡張」が追加される。
生成拡張は、切り抜きツールを使って既存の画像のサイズを大きくした際に発生した余白に対し、AIがコンテンツを生成するというもの。
Generative Expand(生成拡張)実行前。画像のキャンパスサイズを大きすると、当然余白が発生する。
出典:アドビ
Generative Expand(生成拡張)を使えば、プロンプト「Beautiful beach」と写真にあった形で余白が埋められる。
出典:アドビ
この場合、プロンプトを入れなくてもAIは元の画像にあったコンテンツを生成する(プロンプトを入力してより自分のイメージに合ったものにすることもできる)。
実現できる内容としてはこのアップデート以前でも、自分で画像サイズを大きくして空いた部分を選択して、生成塗りつぶしを行うことでも実現できた。
生成拡張は切り抜きツールと統合することで「余白を選択する」というユーザーの動作をスキップでき、より手軽に「既存の写真のサイズを変えたい」というニーズに応えられる。
なおアドビによると、macOS向けのPhotohop ベータ版について今回の発表時点で「プロンプトに日本語で入力をする際、変換を確定させる Enterキーを押すとその時点で生成が始まってしまうという問題」が発生しており、「近日中に修正のアップデート」を予定しているという。