週4日勤務を法制化する法案を主導する民主党のマーク・タカノ議員。
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- 週4日勤務の試験導入から得られた新たなデータには、1年間のテスト期間中に労働者がどう変わったのかが示されている。
- 労働者たちはより幸せになり、より効率的に働き、勤務する企業はより多くの収益を得ることになった。
- マーク・タカノ米下院議員は、週4日労働の法制化を望んでおり、今後も週4日勤務は定着していくだろうと語っている。
週4日勤務は労働者とその職場に利益をもたらすという調査結果が出た。ある米下院議員は、週32時間労働が法制化される時が来たことを意味すると話している。
2023年7月26日、ニュージーランドの非営利団体4デイ・ウィーク・グローバル(4 Day Week Global)は、アメリカ、オーストラリア、イギリスを含むさまざまな国の参加企業で週4日勤務をテストするパイロット・プログラムの最新の調査結果を発表した。それによると、週4日勤務の導入から1年が経過した現在もこのプログラムは大成功を収めていることが分かったという。
作業強度が低下したにも関わらず、労働者の効率は向上した。労働時間が減ることでワークライフバランスを保てるようになった。参加企業の収益は15%増加し、従業員の3分の1は離職する可能性が低くなったと回答している。
これは、週4日勤務がもたらす具体的なメリットを実証した最新の研究であり、新型コロナウイルスによるパンデミックの後、労働者が生活や仕事との関係を見直し始めたことで、ますますこの働き方は現実味を帯びてきている。
週4日勤務の法制化を主導している米民主党のマーク・タカノ(Mark Takano)下院議員は、この最新の調査結果を高く評価した。
「4デイ・ウィーク・グローバルの最新調査は、私の週32時間労働法の必要性を明らかにしている」とタカノ議員は声明で述べた。
「週4日勤務は、労働者と企業にいい影響を与える形で実施することができる。この大規模な調査結果は、短期間の調査から得られた従業員のフィードバックを補強するものになっている。週4日勤務は今後も定着していくだろう」
タカノ議員の法案は、公正労働基準法を週32時間労働となるように変えるものだ。これによって、32時間を超えて働いた労働者たちは、より高額の時間外手当を受け取れるようになる。
「これは新たな常識、つまり人々が築いていきたいと思うニューノーマルになる可能性が大いにある」と、タカノ議員は2022年にInsiderに語っている。
アメリカ人の週労働時間削減を求める議員はタカノ氏だけではない。2023年2月、バーモント州選出のバーニー・サンダース(Bernie Sanders)上院議員は、「テクノロジーが爆発的に発展し、労働者の生産性が向上している今こそ、給料を減らさずに週4日勤務に移行する時だ。企業のCEOだけでなく、労働者たちもテクノロジーの恩恵を受けなければならない」とX(旧Twitter)に投稿している。
サンダース議員は、パイロットプログラムが開始されてから6カ月が経過した2022年12月の調査結果についても言及している。それによると参加企業の収益は8.14%増加し、従業員の67%が、仕事のない日が1日増えたことで運動量が増え、睡眠の質が向上し、燃え尽き症候群が減ったという。
このパイロットプログラムの成功を受けて、いくつかのアメリカの企業はこのアイデアを試し始めている。例えば2022年、フロリダ州のチックフィレイ(Chick-fil-A)が週3日勤務を導入したところ、たった一件の仕事に400人もの応募があったという。
「目新しさはいずれ失われるものだから、我々の6カ月間のトライアルを維持できるはずがないという懸念をよく耳にする。だが、1年経った今でもメリットは増え続けるばかりだ」と、4デイ・ウィーク・グローバルCEOのデール・ウィール・マン(Dale Whelehan)は声明で述べている。
「週4日勤務は持続可能性にとって非常に有望な働き方。我々は各社の経験を将来まで追跡することを楽しみにしている」