先日行われたパタゴニア(Patagonia)の2023年秋冬展示会に行ってきた。まだまだ暑い日が続くけど、ひと足先に秋支度としよう。
過去の名作をサスティナブル素材で
50周年ア二バーサリーコレクション「ナチュラル アイコンズ」。
撮影:高橋真紀
1973年に創業したパタゴニアは、今年で50周年を迎える。アニバーサリーイヤー後半となる2023年秋冬シーズンには、復刻が待ち望まれていた過去のアーカイブから生まれたアイテムも多く並んでいるようだ。
左:リサイクルウールブレンド ラグビーセーター 税込2万8600円、右:メンズ・アウトドア・エブリデー・パンツ 税込1万4300円。
撮影:高橋真紀
かつて販売されていたラガーシャツは、その丈夫さとデザイン性から人気のアイテムの一つだった。2023年秋冬では、ラグビーセーターとしてリサイクルウールを使ったニット素材でリバイバル。大きめの襟と太めのボーダーがいいバランスだ。
「アウトドア・エブリデー・パンツ」は、名前や仕様が少しずつ変わりながらも、長年残り続けている古株アイテムなのだとか。マーケティング部の生山さんは「もし製品の家系図があったら、このパンツの系譜は相当深いはず」と言っていた。
ナチュラルブレンド スナップT 税込4万700円。ロゴも当時のものを復刻。
撮影:高橋真紀
現在でも人気のフリース「スナップT」には、前面にポケットが付いたものが登場する。リサイクルポリエステルを使用し、上下で色と質感が切り返しになっている。ジップもついていて、より機能的だ。
胸元のロゴも、このスナップTのオリジナルが登場した1970年代後半当時のものに。
“VIVA LOS FUN HOGS(飽くなき冒険者たち万歳)”は、若き日の創業者イヴォン・シュイナードらがパタゴニア地方のフィッツロイ山の頂上で掲げた旗に書かれていた言葉。
撮影:高橋真紀
本コレクションのアイテムはいずれも、 ジェンダーインクルーシブ で展開されている。タグには、メンズのM、ウィメンズのL、2つのサイズ表記がある。
撮影:高橋真紀
タグをめくると、パタゴニア地方に生息するアルマジロが“NOT DONE YET(まだ終わってない)”と言っている。パタゴニアの前身、シュイナード・イクイップメントのギアを背負っているという設定もかわいい。
50周年を祝したグラフィックTシャツも
左:ウィメンズ・50イヤー・レスポンシビリティー 税込7150円、右:メンズ・ロングスリーブ・スノースティッチャー・ポケット・レスポンシビリティー 税込8800円。
撮影:高橋真紀
“Responsibili- Tee”と名付けられたTシャツコレクションもラインアップ。
生地の端切れと回収されたペットボトルを利用した100%リサイクル素材で作られている。
撮影:高橋真紀
それぞれのデザインに込められたメッセージも紹介している。
撮影:高橋真紀
デザインは、自然を愛するパタゴニアらしい12種類で展開される。中には1994年春夏で登場したグラフィックを復刻させたものも。
これなら一生使えそう。13万円の最強ダウン
メンズ・ストームシャドー・パーカ 税込14万3000円。
撮影:高橋真紀
本シーズンの目玉とも言えるアイテムがこちらのダウンジャケット。表生地には、海洋のプラスチックゴミからリサイクルされた素材を100%使用している。
価格は税込14万3000円。普段の街着には十分すぎる本格的なアウトドアスペックだ。一生もののダウンになるだろう。
撮影:高橋真紀
施されている撥水加工は、フッ素化合物(PFC)フリーの環境に配慮したもの。
2023年12月31日には、ニューヨークでフッ素化合物の一つ「PFAS」の衣料品への使用を禁止する法律が定められるなど、最近では見聞きすることも増えた。
パタゴニアは2000年代半ばからこの問題に取り組み、今シーズンでは「GORE-TEX」で知られるゴア社とタッグを組み、環境に配慮した撥水素材の開発に努めてきた。
ゴア社と協働することで、パタゴニア以外のブランドやメーカーにも広がることも期待できるだろう。
なお、2023年秋冬アイテムは、 すでにオンラインストアで販売中。直営店では、8月24日(木)より販売開始とのこと。