最近、キャッチーな名前に惹かれて購入したタオルがある。その名も、コットンヌーボー。
「なんだかボジョレーヌーボーみたいな名前だな」と思ったら、本当にそのようなコンセプトで作られているタオルだった。
オーガニックコットンの個性を楽しむタオル
イケウチオーガニック コットンヌーボー2023 フェイスタオル 税込2970円
撮影:小野瀬わかな
このタオルは、前年に収穫されたオーガニックコットンのみで作られている。
一般的に、オーガニックコットンは品質がバラバラのため、均一化させるために収穫年や生産地が異なるコットンをブレンドして調整される。
この商品は、そのバラツキを「オーガニックコットンの個性」として愉しめないか?という観点で開発されたらしい。
ボジョレーヌーボーがその年に収穫されたぶどうで作られた新酒を楽しむワインであるように、コットンヌーボーは、毎年異なるコットンの風合いの違いを楽しむタオル、という訳だ。
このコンセプトが評価され、2015年にはグッドデザイン賞を受賞しているらしい。
通常は収穫年や生産地が異なるコットンをブレンドして品質を均一化しているということは、コットンヌーボーは質が多少落ちるのだろうか? と思ったのだが、ホテルに置いてあるタオルのようにボリュームがあり、吸水性も抜群のふわふわのタオルだった。
貧困状態にある農家を支援
撮影:小野瀬わかな
このタオルに使用されているオーガニックコットンは、すべてインド・タンザニアで行なわれている「bioReプロジェクト(ビオリプロジェクト)」の認証オーガニックコットンを採用しているとのこと。
ビオリプロジェクトとは、貧困状態にある農村の人々の自立を目的に始められた活動だ。
オーガニックコットンの栽培を指導するだけではなく、教育や生活に必要なインフラの整備など、農家の人達の暮らしを豊かにする様々な取り組みを行っているプロジェクトらしい。
また、メーカーであるイケウチオーガニックは、生産に要する電力の100パーセントを風力発電によるグリーンパワーでまかなっていることでも有名で、「風で織るタオル」と言われる。
価格はちょっと高めかも?
撮影:小野瀬わかな
このフェイスタオルは税込2970円。
よく使っているフェイスタオル(同じくコットン100パーセント)は2000円しないくらいだったので、少し高いかな? とも思う。
しかし「ワインのように、コットンの風合いの違いを楽しむ」というコンセプトと、先述のソーシャルグッドな取り組みを思えば、「応援したい」という気持ちで買える価格かなとも思う。
年号入りで特別感があるのでギフトや出産祝いにも
撮影:小野瀬わかな
コットンヌーボーは、2011年から毎年発表されている。
製造年度を認識できるように、タオル生地には年号がジャガード織、または刺繍がされている。ネームタグのカラーも毎年変えているそうだ。
タオルは出産祝い、結婚祝い、内祝い、引き出物、開店祝いなど、さまざまなお祝いの場面でギフト候補に挙がる。
無地で比較的誰でも使いやすいシンプルなデザインながら、「その年の年号が刺繍されている」という特別感が、ギフトにもぴったりかもしれない。
私は今年はじめてコットンヌーボーを購入したので風合いの違いは分からないのだが、こうして手に取ると、どれだけその年によって風合いが違うのか気になってくる。来年も買ってしまいそうだ。
毎年11月に解禁されるボジョレーヌーボーが秋を感じさせるように、コットンヌーボーもまた、私にとって季節を感じさせる風物詩の一つになるかもしれない。