インフレ減速で企業の売上高は悪化する。だからこそ決算発表で際立つ「利益体質」11銘柄、モルガンS最新分析

インフレ沈静化

インフレ沈静化は市場関係者にとって一見喜ばしいことだが、よく考えると非常に複雑な分岐点でもある。

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米労働省が6月の消費者物価指数(CPI)を発表し、それが前年同月比3.0%上昇という市場予想を下回る数字だと分かると、投資家たちは拍手喝采を送った。

それはそうだろう。一見する限り、インフレ率の低下は景気後退入りを懸念する市場関係者にとって好材料に映るからだ。

米金融大手ゴールドマン・サックスのストラテジスト(グローバル外為・金利・新興国責任者)、カマクシャ・トリベディは最近の顧客向けレポートの中で次のように指摘している。

「とりわけ、今回の利上げサイクルは、過熱するインフレを抑え込んで目標水準(の2%)まで押し下げることに主な狙いが置かれているので、連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ鎮圧を優先して回復途上の景気をオーバーキル(過度に減速)しかねない、というのが景気後退入りを想定するもっともな根拠とされてきました」

投資家たちがインフレに悩ましい思いをする一方で、企業はインフレを一種の恵みと受けとめるようになった。インフレに乗じて財やサービスを値上げし、売上高を積み増すことで、その恩恵に与(あずか)る賢い立ち回りを見せたのだ。

しかし、インフレはいまや沈静化に向かい、企業の価格決定力も低下している。

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