ザッカーバーグが従業員2万人超を切り捨てた本当の理由。創業初の売上減から、ベインとの契約に至るまで

マーク・ザッカーバーグ

メタ・プラットフォームズ(Meta Platforms)のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、創業以来の苦境を乗り切るため、自らに新たな「ペルソナ」を付与した。

Dianna "Mick" McDougall for Insider; Gerard Julien, Justin Sullivan, Alex Wong/ Getty Images

マーク・ザッカーバーグは最近、メタ・プラットフォームズ(Meta Platforms)にとって最新、かつ創業以来最も重要なプロダクトを披露した。

「新型モデルのマーク・ザッカーバーグ」がそれだ。

見事に6つに割れた腹直筋を誇り、ブラジリアン柔術の青帯を持つ「新ザック」は、イーロン・マスクとの「ケージマッチ」対決に応じることにした。メタの広報担当も「彼はふざけてなんかいない、本当に実現するかもしれない」と語っている。

39歳になったザッカーバーグは、全米で絶大な人気を誇る格闘技解説者ジョー・ローガンの『エクスペリエンス』などポッドキャスト番組に出演するたび、「無茶苦茶に殴られる」のと「試合場の内外で相手にプレッシャーをかける」のがたまらなく好きだと熱弁してきた。

ごく最近、彼は傘下のインスタグラム(Instagram)を通じてツイッター(Twitter)によく似たテキストベースのソーシャルアプリ「スレッズ(Threads)」を立ち上げた。

イーロン・マスクによる買収と急進的な社内改革を受けた混乱の最中、ツイッターが最も弱体化したタイミングを狙い澄ましてのローンチだった。

こうした容赦ない大胆なアクションの矛先を向けられたのは、メタの競合企業だけではない。

アップルのプライバシーポリシー変更により深刻なダメージを負い、2022年に創業以来初めての売上高減を記録するなど弱りきった自社に対しても、容赦ない人員整理の大鉈(なた)を振るった。この1年足らずの間に解雇対象となった従業員の数は2万人以上に及ぶ。

ザッカーバーグはいま、自分が決して傷つくことのない離れた場所からメタを支配している。

カリフォルニア州メンローパークの本社キャンパスにいる彼の姿を見慣れた経営幹部たちですら、いまやディスプレー越しに顔を見られるどうかといった状況だ。

ビデオ会議に参加するのは専ら、サンフランシスコやパロアルト、ハワイのカウアイ島など10箇所に所有する高級物件のどこかからで、いずれから顔を出すにせよ、意図的にプレーン背景を適用して居場所を特定できないようにしている。

時々本社のオフィスに姿を現す時も、両脇をセキュリティ要員が固めて出入りするのでよく見えないことが多い。

外部から見ていると、ザッカーバーグの変貌ぶりは漫画の世界のようだ。商売敵イーロン・マスクの尻をぶっ叩いてやろうと、公衆電話ボックスで筋肉隆々のスーパーマンに変身したクラーク・ケント、まさにそんな感じに見える。

この無駄を削ぎ落としたアルファ版「新ザック」はどこからやって来たのだろう。

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