過去の大暴落を予言した弱気派の投資家が指摘…現在の市場は2021年11月との共通点が多い

ジョン・ハスマンによると、株式市場は前途多難だ。

2008年の大暴落を予言した人物によると、アメリカの株式市場は前途多難だ。

Michael Nagle/Xinhua/Getty Images

ジョン・ハスマン(John Hussman)氏は、2000年と2008年の株式市場の暴落を予言した悪名高きバブル相場の賢人だ。彼によると、現時点で市場には災難を予感させる特殊な条件のカクテルができあがっているという。

主な材料は3つある。割高なバリュエーション、投資家のセンチメントの低さ、そしてテクニカル面での市場の過熱だ。

ハスマン氏によれば、投資家はここしばらくの間、割高なバリュエーションと投資家のセンチメントの低さのミックスをちびちびと味わってきた。だが、彼が現在目の当たりにしているような過熱したテクニカル指標は、直近では2021年11月のレシピに含まれていたという。それは株式市場が史上最高値に達した数週間前のことだった。

7月23日付のメモでハスマン氏は次のように書いている。

「最後にこのような要因の組み合わせが同様の水準で観測されたのは、2021年11月のことでした。S&P500が25%下落した直前です。10月以降の市場の反発をめぐる熱狂とは裏腹に、アメリカ史上最も極端な利回り追求型投機バブルの崩壊劇において、2021年11月当初の下落相場はささやかな序章に過ぎなかったことが後に明らかになりました」

大暴落のレシピとは

バリュエーションに関しては、非金融株の時価総額と非金融株の売上高合計を比較するのがハスマン氏の好むやり方だ。将来の市場リターンの指標としては、これまでに見つけた中で最も信頼できるという。

この指標は史上最高値から下がったとはいえ、まだ史上最高水準の範囲内にある。この水準は、今後12年間の年平均リターンがマイナス4%になることを示唆している。

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