アップルのVision Proは、2024年の発売予定だ。
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- アップルは「クレイジーなアイデア」に寛容な中国企業をVision Proの製造会社に選んだ。
- 中国の深センにあるLuxshareは、この複合現実(MR)ヘッドセットを製造する唯一の企業だと、フィナンシャル・タイムズは報じている。
- アップルは、VRとARを主流にしたいと考えており、このデバイスに大きく賭けている。
アップルのVision Proの製造を担う中国のある企業は、「クレイジーな」アイデアを積極的に試す意欲のおかげで、アップルから信任されたという。
委託製造業者のLuxshareは、アップルがMRヘッドセットの発売準備を進める中、アップルと親密な繋がりを築いてきた。フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)によると、深センを拠点とするLuxshareは、新しいハードウェアの製造にあたり、アップルから高い評価を得てビジネスを拡大しているという。
記事ではLuxshareがどんなクレイジーなアイデアを試しているのか、詳細には触れられていないが、同社は創意工夫のおかげで、アップルから何年にもわたって複雑なプロジェクトを勝ち取ってきていると指摘している。
Vision Proは、2007年にiPhoneを発売して以来、アップル最大のハードウェアの発売で、近年で最もリスクの高いものになる。消費者はこのヘッドセットにまだ強い興味を持っておらず、価格は3500ドルと涙が出るほど高額だ。アップルは6月に行われた毎年恒例のデベロッパーカンファレンスで、このヘッドセットについて明らかにし、2024年初旬に発売すると発表した。
アップルはヘッドセット製造をLuxshareに依存しており、同社の肩には重い責任がのしかかっている。2010年に上場したLuxshareは、2011年からアップルのサプライヤーとしての関係を構築している。
あるアナリストはフィナンシャル・タイムズに、Luxshareは長い道のりを経て、これまで誰も作ってこなかった最も複雑なデバイスの製造を担うようになったと話した。製造までに7年もかかっているこのデバイスの複雑さは、難しい挑戦であることを証明している。
7月上旬、ヘッドセットのOLEDマイクロディスプレイの開発において問題が浮上したため、アップルは2024年に100万台を出荷するという目標の達成が難しく、翌年は40万台以下に生産数を下げざるを得ないと示唆する報告が出た。
ヘッドセット向けのアプリを作りたい開発者たちは、より広範なリリースに先立ってデバイスを受け取る前に署名しなければならない、長々と条件が記された契約書を受け取った。
ある条項では、開発者にリリース前のデバイスを「決して(never)」放置せず、使用しないときは「鍵のかかるペリカンケース(locked Pelican case)」に保管するよう求めている。
アップルとLuxshareは、Insiderが業務時間外に求めたコメントに対し、すぐに回答はしていない。