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- ウォーレン・バフェットが愛用する指標は、現在の株価が割高で暴落の可能性があることを示している。
- 投資家が人工知能(AI)、利下げ、ソフトランディングに賭けているため、バフェット指標は171%まで急上昇した。
- バフェットは、この指標を株式のバリュエーションを測る「おそらく最良で唯一の尺度」だと話している。
ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)のお気に入りの指標が赤く点滅し、米国株が割高で急落の危機にあることを示している。
「バフェット指数」は7月28日金曜日の終値で171%まで急上昇した。バフェットは2001年のフォーチュン誌の記事で、この指標が100%であれば株式は公正に評価されており、70%か80%の水準で買えばうまくいくだろうと述べている。一方で、200%の水準で買うのは「火遊び」だと警告している。
著名な投資家で、バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)のCEOでもあるバフェットは、自身の名を冠した指標を「バリュエーションがどのような瞬間にどのような状態にあるかを示す、おそらく最良で唯一の指標」と称賛した。バフェットは、ドットコム・バブル期にこの指標が急上昇したとき、それは暴落が近づいていることを示す「非常に強い警告信号」だったはずだと指摘した。
バフェットが好んで使うこの指標は、活発に取引されている米国株の時価総額を、四半期国内総生産(GDP)の最新の公式推定値で割ったものだ。投資家はこの指標を使って、株式市場全体の価値とアメリカ経済の規模を比較する。
投資家がAIブームや金利引き下げ、不況ではなく経済の軟着陸に賭けている中、ウィルシャー5000トータル・マーケット・インデックスは今年に入って22%上昇し、時価総額は金曜日の終値で46兆3200億ドルに達し、2022年3月以来の高水準になった。S&P500種株価指数が19%上昇し、ナスダック総合株価指数が37%上昇したことが、この指数の上昇に拍車をかけている。
一方、アメリカ商務省経済分析局による第2四半期GDPの事前予測は26兆8400億ドルで、バフェット指標は171%になる。この指標は2022年、1月の210%超から9月には150%以下に急落し、その価値が証明された。
しかし、「バフェット指数」は完璧ではないことを強調しておきたい。例えば、GDPは株式市場の現在価値と過去の経済生産高の推定値を比較している。また、GDPは海外所得を除外しているのに対し、米国企業の時価総額は国内事業と海外事業の両方の価値を反映している。