オフィスで「立ったまま寝る」仮眠ボックスが生まれた理由…イトーキの開放特許、既に「数社から問い合わせ」ある状況

仮眠ボックスの大きさは、小型の公衆電話ボックス程度。

仮眠ボックスの大きさは、小型の公衆電話ボックス程度。

提供:広葉樹合板

オフィス用品大手のイトーキと北海道の木材加工会社である広葉樹合板社が「立ったまま寝る」仮眠ボックス「giraffenap(ジラフナップ)」を8月1日に発表した。

この製品は、イトーキが所有する仮眠ボックスに関する開放特許を広葉樹合板がライセンス契約を結んで製品化したもの。オフィス等で20分程度の短い仮眠をすることを想定して作ったという。

オフィス導入イメージ。ベッドの約半分のサイズ。

オフィス導入イメージ。ベッドの約半分のサイズ。

提供:広葉樹合板

広葉樹合板の山口裕也代表は、「日本では仕事中に寝る=怠けていると思われる方も多いはずですが、私たちはそんな固定概念を打ち破る時代に差し掛かっています」と話し、仮眠を取ることが生産性や創造性に良い影響を与えることを強調した。

「立ち寝」仮眠ボックスが生まれた背景

商品開発のきっかけは2021年に北洋銀行が主催した「知財ビジネスマッチング」だった。イトーキが所有する開放特許「人体収納用構造体及び睡眠用筐体」について説明を受けた広葉樹合板側に「世界初のユニークな商品開発をしてみたいという強い思い」(広葉樹合板・山口代表)が芽生え、2022年にライセンス契約に至った。

広葉樹合板の野原嘉人常務は、なぜ「立ち寝」仮眠ボックスなのかについて、

「省スペース化を実現することでさまざまな場所での導入が可能となります。通常、仮眠環境を用意するためには専用の仮眠室やパーテーション、ベッドといった設備を用意する必要があるため、スペース確保の問題や莫大なコストがかかります。しかし、ジラフナップは約2畳分のスペースに設置するだけで、仮眠環境の導入が可能となります」

と説明。立ったまま仮眠することで「深く眠りすぎないため、ビジネスシーンにおいて素早く仕事に復帰できる点でも最適」と話した。

「座って寝たほうが楽なのでは?」という素朴な疑問には

会場記者からは、「座って寝た方が楽なのではないか」という質問が上がったが、これに対し、イトーキの品田潤生常務は、

「昼寝の時間を1時間取ってしまうと仕事の効率が下がってしまう。長くても30分、できれば20分ぐらいがいい。その時に座って寝ると腰などに負担がすごくかかる。これをクリアして短時間の睡眠にすっと入れて、すっと戻れるという姿勢ということでこれ(立ち寝)を考えてきました」

と答えた。

近未来をイメージした「スペーシア」と森の中をイメージした「フォレスト」の2つのラインナップ。

近未来をイメージした「スペーシア」と森の中をイメージした「フォレスト」の2つのラインナップ。

提供:広葉樹合板

商品の発売は、2023年12月末〜2024年1月を予定。具体的な販売経路や目標などは現時点で未定だが、サブスク方式なども検討している。

現時点では「数社からお話をいただいている」(広葉樹合板・山口社長)状態だ。価格については「販売となると、現時点で想定しているのは300万円前後ぐらい」(広葉樹合板・山口社長)とする。

仮眠によってパフォーマンスが向上するという指摘は、ビジネスシーンでもよく耳にすることだ。ただ、「立って寝る」環境を会社が導入することの是非と果たしてどこまで需要があるのか。市場の反応に注目したい。

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