いつまでも元気で健康でいるには、体を動かすなどの健康的な習慣を実践することが大切だ。
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- 運動や健康的な食事、人との交流など、日々のシンプルな活動が長生きにつながる。
- 1日10分足らずの健康的で科学的根拠のある習慣を、生活に取り入れてみよう。
- ちょっと散歩したり、ヘルシーな食事を楽しんだり、友人にメッセージを送ったりするのは、健康のために良い行動だ。
長生きするのは、必ずしも難しいことではない。
セレブや億万長者が長寿のために実践している本格的なルーティンは、膨大な時間と費用がかかる場合がある。だが、お金をかけず、短時間で実践できる優れた健康法もいくつかある。
運動、健康的な食事、社会的なつながりを保つこと、ストレスの緩和など、シンプルな習慣を毎日実践するだけで、長寿につながる可能性があることを、科学は示唆している。
これらの習慣をいくつかでも生活に取り入れれば、1日わずか数分で、長く健康を維持する効果が得られるはずだ。
階段を使う
定期的な運動が健康的なライフスタイルに不可欠であることはよく知られており、座りがちな生活が命取りになることは、たくさんの証拠が示している。一般的に推奨されているのは、週に少なくとも150分の中程度の運動、75分の激しい運動、またはその2つを組み合わせて行うことだ。
しかし、ジムで何時間も過ごさなくても、デスクワークをしている最中に何度か短時間の休憩を取り、そのたびに立ち上がって体を動かせば、たとえ数千歩の追加にしかならないとしても、運動による健康効果が得られることを示唆する研究結果が増えている。
ある研究によると、心拍数が上がるような運動を1日に合計4~6分程度行うだけで、早期死亡のリスクが低下するという。別の研究では、同じく短時間の激しい運動を毎日続けることで、がんのリスクが大幅に低下する可能性のあることが明らかになっている。
また別の最近の研究では、ウォーキング、激しい家事、ダンスなどの有酸素運動を11分行うだけで、早期死亡リスクが低下すると報告されている(1日10分をやや上回ってしまうが、健康で長生きするためなら、プラス1分くらいはいいだろう)。
プランクなどの簡単な自重エクササイズは、年齢を重ねても筋力と回復力を高め維持するのに役立つ。
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短時間のプランクやウォールシットで筋肉を鍛える
心拍数を上げる有酸素運動が健康に良いことは明らかだが、強く健康な筋肉も、元気で長生きするには同じくらい重要だ。
長く健康でいるためには、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせて行なうことが望ましいという確かな研究報告がある。
ウェイトリフティングは筋肉を鍛えるのに適した方法だが、唯一の方法ではない。ウォールシットやプランクのようなエクササイズは、筋力アップに加えて血圧を下げる効果があることが示されている。アイソメトリック(等尺性筋収縮)エクササイズとして知られるこれらの運動は、関節への負担も少ない。
自分の体重を負荷として筋力をつけることで、ジムに行かなくても1日の運動量を増やすことができるため、この先何十年ものあいだ、活動的でエネルギーにあふれ、丈夫な体でいることに役立つ。
ヘルシーな炭水化物(食物繊維)を摂る
健康的な生活には栄養をしっかり摂ることも欠かせないが、そのために生活全体(あるいはキッチン)を一新する必要はない。何かを制限する流行りの食事法を実践する代わりに、栄養士が推奨するのは、炭水化物(食物繊維)を多く含む野菜や果物、全粒穀物、豆類の摂取を増やすことだ。
植物性のホールフードは、ビタミンやミネラルのほか、食物繊維も豊富だ。食物繊維は、大腸がんなど命にかかわる病気のリスクを下げる炭水化物の一種で、世界的に長寿の人が多い地域では、豆類、種子類、野菜など、食物繊維の豊富な食品が多く摂取されている。
手間をかけずに豊富な栄養を摂取したいなら、ベリー類とダークチョコレート、ドライフルーツとナッツのトレイルミックス、カッテージチーズに野菜と全粒粉クラッカーなど、ヘルシーなスナックに手を伸ばそう。
コーヒーや紅茶は健康に良い。
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コーヒー、紅茶、ダークチョコレートを楽しむ
ポリフェノールや抗酸化物質といった植物由来の微量栄養素にも、慢性疾患の予防に効果があることが示されている。
これらの栄養素を最も豊富に含む食品のいくつかは、好きな飲み物や甘いお菓子という形で、すでにあなたも日常的に摂取しているかもしれない。
コーヒーには、心臓病やその他の疾患の予防に役立つ化合物が豊富に含まれている。緑茶や紅茶も同様に有益な物質をたくさん含んでいるため、「午後の一杯」は間違いなく健康に良い習慣だ。
そこへダークチョコレートを少々添えれば、心臓の健康に良いフラボノイドをさらに多く摂取できる。科学的にもお勧めのおやつというわけだ。
友人や家族と接する
アメリカに公衆衛生上の課題をもたらしている意外な原因のひとつは、社会的つながりの欠如だ。最近の報告で、孤独は、喫煙と同じくらい長期的な健康に悪影響を及ぼす可能性が示唆されている。
とりわけ長生きで活動的な高齢者のなかには、活力やモチベーション、気持ちの若さを保つ秘訣として、コミュニティへの強い帰属意識を挙げる人がいる。たとえば、ある96歳のアスリートは、心身ともに生き生きとし続けている秘訣として、友人や家族との毎日の電話を習慣にしているという。
良好な人間関係を維持するには努力が必要だが、専門家によると、重要なのは定期的にコミュニケーションをとることだ。
より良い友人になるための、科学的に推奨されている方法も存在する。自分の胸の内を伝え、また大切な人の話にじっくりと耳を傾ける時間をもつことは、長続きする関係を築き、維持するのに役立つという。
ワークアウト仲間とハイタッチするだけでもいい。強い社会的つながりは長生きに効果がある。
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深呼吸をする
ストレスは避けられないものだと思っているかもしれないが、ストレスをため込み過ぎると、心臓の健康状態が悪化したり、免疫系が抑制されたり、さらには、栄養価の高い食事や定期的な運動といった他の良い習慣を維持するのが難しくなったりして、心身の健康を著しく損なう可能性がある。
ストレスの原因をすべて取り除くことはできないだろうが、ストレスに対処しやすくなる、意外なほど簡単なテクニックがあることが、科学的に明らかになっている。
呼吸法、すなわち息を吸ったり吐いたりすることに意図的に集中する時間をもつことは、効果的なストレス軽減方法であることが示されている。1日5分の呼吸法を実践するだけで、日々のストレスが大いに緩和され、血圧を下げる効果さえあるという。