シャープ経営悪化で鴻海が突き付けた「経営陣交代」。様変わりした「蜜月」関係のゆくえ

シャープは台湾のホンハイ精密に買収されることに合意した= 2016年2月=

シャープは台湾のホンハイ精密に買収されることに合意した= 2016年2月=。

The News Lens Japan

電機大手シャープの経営が悪化し、日台の企業提携が試練を迎えている。台湾の親会社、鴻海精密工業はシャープに改善計画を要請し、成果が上がらなければ、経営陣の交代も求める構えだ。ただ、主因である業績不振の液晶パネル工場運営会社の完全子会社化について、日本の株主からは鴻海側の意向ではないかとの疑念の声も出ており、日台協力のシンボルともてはやされたシャープの経営の先行きは不透明感を増している。

郭氏が社内説き伏せ買収、黒字化も…

シャープは2023年3月期の連結決算で、2608億円に上る巨額の最終赤字に陥った。最終赤字に転落したのは2017年以来6年ぶりで、赤字額は過去3番目の大きさとなる。最大の原因が、堺工場(大阪府堺市)を運営する子会社、堺ディスプレイプロダクト(SDP)の生産設備の収益力を見直した結果、1884億円の減損損失を計上したことだった。

堺工場は2009年、シャープが4300億円を投じて建設した。だが、韓国や中国のメーカーとの価格競争が激化し、液晶パネルの市況が低迷。これに伴って、シャープは2012年3月期に3760億円の赤字を出し、経営危機が表面化した。鴻海の創業者で当時会長だった郭台銘氏はシャープ経営陣から請われ、個人資産管理会社を通じてSDPに660億円を出資して37.61%の株式を取得し、シャープと鴻海は堺工場を共同運営するようになった。

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み