「ポイントばらまき」脱却で増収増益のZホールディングス決算、10月の「ID連携」が成長につながるか

ZHD会見

Zホールディングスは2023年度第1四半期決算の投資家向け説明会をオンラインで開催した。

撮影:小林優多郎

Zホールディングス(以下、ZHD)は8月3日、2023年度 第1四半期決算を発表した。

純利益(親会社の所有者に帰属する当期利益)は373億1600万円(前年同期比47.9%増)。売上収益は4305億2300万円(同10.2%増)と、同社史上最高となった。

決算資料

ZHD全社の業績概要。

出典:Zホールディングス

決算会見に登壇したZHD 専務執行役員GCFO(最高財務責任者)の坂上亮介氏は、その背景について「PayPayやメディア事業の増収。選択と集中で増益」と説明。

Yahoo!ショッピングでの「ばらまきに近いポイント施策」(ZHD関係者)を控えたことによる販促費の抑制や、個人向け証券事業を野村證券に移管するLINE証券と、開発を断念したLINE Bank(日本)の赤字引当金が不要になったことが功を奏した形だ。

PayPayは自社クレカ効果で成長継続

PayPayのスライド

PayPayは各種KPIで成長を続けている。

出典:Zホールディングス

スマホ決済のPayPayに関しては、PayPay単体などの内訳は非開示なものの、連結EBITDAでは初めて黒字化した。

※PayPay社の営業利益に償却費を足し戻したもの。持分プーリング法の適用により、PayPayカード社の財務諸表を2021年期初から連結している。両社間の内部取引分は含まない。

PayPayカードのスライド

PayPayカードのユーザー数、取扱高は増えている。

出典:Zホールディングス

特にクレジットカードの「PayPayカード」は好調で、有効会員数は前年同期比20%増となる1042万人。取扱高も前年同期比28.2%増となる1兆792億円を記録した。

PayPayは8月1日からアプリ内の「あと払い」の名称を「クレジット」に変更するなど、PayPayとPayPayカードのシナジーを強めている。

PayPay内での他社クレジットカードの利用停止(PayPayカードへの一本化)は、2023年8月から2025年1月に延期されたが、PayPayとしてはよりクレジットカードユーザー向けの施策を強化していく方針だ。

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