多くの投資家は景気後退を察知することはない…今回のように複数のシグナルが点灯したとしても

Traders work on the floor of the NYSE

Thomson Reuters

経済が景気後退に陥る直前まで、景気後退は回避できると主張する者は常にいる。

投資会社パイパー・サンドラー(Piper Sandler)のマイケル・カントロウィッツ(Michael Kantrowitz)氏は最近、クライアントへのノートで、ソフトランディングを謳った2007年 、2000年、1989年、1980年、1973年の新聞記事を取り上げ、このような事例をいくつか紹介した。

2008年の景気低迷を予測したローゼンバーグ・リサーチ(Rosenberg Research)の創業者デビッド・ローゼンバーグ(David Rosenberg)氏は、2007年に自身が示した見通しについて、同僚や顧客、連邦準備理事会(FRB)のメンバーからどれだけ嘲笑されたか、Insiderで詳しく語っている。

株式市場の投資家が概して景気後退の予測が苦手なことは、このような逸話を引き合いに出すまでもなく明らかだ。景気後退に直面するたびに、市場は先行指標には注意を払わず、たいていは賃金など過去のデータに反応する。

S&P500の値動きと景気後退期 (下図の紫色の網掛けの部分)を示す以下のチャートでは、景気後退が判明するまで市場の下落が始まらないことが多いのが分かる。景気後退が始まる前に一時的に株式の売却が始まったとしても、損失の大部分は景気後退が始まった後に生じる。

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