調査に回答した企業経営者たちは、Z世代の卒業生の雇用を避けていると答えている。
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- ある調査によると、ビジネスリーダーの40%が、Z世代の大学卒業生は職場への準備ができていないと考えていることがわかった。
- そのうち94%は大卒新入社員の採用を避けていると答えた。
- 回答者の88%が、大卒新入社員は礼儀作法を学ぶべきだと答えている。
Z世代が社会人として労働力に参入しつつある。最近大学を卒業した人の多くが自分たちを待つチャンスに胸を躍らせている一方で、最近の調査では、上司と彼らの思いが一致していないことが示されている。
学生生活に特化したオンラインマガジン「インテリジェント(Intelligent)」の新しい調査によると、多くのビジネスリーダーが、新卒者は職場環境に適応する準備ができていないと慣れていないと考えており、一部の経営者たちは彼らの採用を避けようとしていることがわかった。
インテリジェントは、調査プラットフォーム「ポールフィッシュ(Pollfish)」を通じ、1243人のビジネス・リーダーに、2020年から2023年に大学を卒業した者(一般的に1997年から2012年生まれと定義されるZ世代が大半を占める)と仕事をすることについての考えを尋ねた。調査によると、ビジネスリーダーの40%が大卒の新入社員は労働力になる準備ができていないと答えている。
しかし、それ以外の回答者はZ世代の卒業生は少なくともある程度は準備ができていると答えている。
この調査では、ビジネスリーダーは世帯収入が少なくとも7万5000ドル(約1070万円)、従業員数10人以上の企業でCレベルエグゼクティブ(経営幹部職)、人事部長、取締役、社長、オーナーまたはパートナー、あるいは上級管理職として働いている30歳から60歳の人物として定義されている。
調査によると、Z世代の大卒者に対するこのような悪いイメージは、一部のビジネスリーダーの採用決定にさえ影響を与える可能性があるという。調査対象のビジネスリーダーで最近大学を卒業した人は労働力になる準備ができていないと答えた40%のうち、94%が彼らの採用を避けているとインテリジェントに話している。その内訳は「常に避けている」が7%、「大抵避けている」は27%、「時々避けている」は40%、「ほとんど避けていない」は20%だった。
インテリジェントの調査に回答したビジネスリーダーによると、Z世代の卒業生は、勤労意欲の低さ、コミュニケーション能力の低さ、権利意識などのネガティブな特徴があるという。
Z世代の卒業生が職場で働く準備ができていないと答えたビジネスリーダーのうち、62%は現代の文化に、48%は新型コロナウイルスのパンデミックに原因があるとしている。親や教師が彼らを職場に送り出す準備を怠ったために一緒に働くのが難しいという回答している人もいた。また、卒業生は準備不足だと回答したビジネスリーダーの大多数(約88%)が、「エチケット教室」で礼儀作法を学ぶことが彼らの役に立つと答えた。
この調査は、2023年4月にレジューム・ビルダー(Resume Builder)が実施した調査でも、管理職が同じような感情を抱いていることを伝えている。調査に回答した管理職の74%が、Z世代は以前の世代よりも仕事を一緒にするのが難しいと回答していた。
一方、Z世代は自分たちの将来に対する不安と闘っている。ジップ・リクルーター(Zip Recruiter)の調査で、Z世代の回答者の76%は、職場でChatGPTが自分に取って代わられるのではないかと心配していることが分かった。
ニューヨーク州のイサカ・カレッジ(Ithaca College)で戦略的コミュニケーションを教えるダイアン・ゲイスキー(Diane Gayeski)教授は、「テクノロジーの急速な変化、教師や看護師などの専門職の大量辞職、そして新型コロナウイルスのパンデミックなどのために、誰も働くことに対して本当の準備をしてこなかった」とインテリジェントに話している。
ゲイスキー教授によると、多くのZ世代は新型コロナウイルスのパンデミックの時期に学生だったため、「人間力」が低下してしまった可能性があるという。
一部の企業や大学で、Z世代の雇用者を労働力として育成しようとしていることをウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は報じている。オフィスでの振る舞い方、服装、その他の必要なソフトスキルを学ぶコースは有益なものとなるだろう。インテリジェントの調査したビジネスリーダーたちの多くが、こうした「エチケット教室」が役に立つと答えている。