Slackはデスクトップ向けアプリ(Web、Windows、Mac)の外観に関するアップデートを開始した。
出典:Slack
Salesforce傘下のビジネスチャット「Slack」(スラック)は8月9日、Slackアプリのリニューアルを発表した。
新デザインは9日当日からで、無料の「フリープラン」から順次展開される。
Slackは2022年6月にサイドバーの外観を変更。その後、2023年4月にはドキュメンテーション機能の「Canvas」を追加するなどアップデートを続けているが、今回のようなわかりやすいデザインはおよそ1年ぶりとなる。
どのような点が新しくなったのか、解説しよう。
アプリ左側に機能を集約、特に大企業ユーザーの利便性は向上
新しいデザインのSlackのホームビュー。
出典:Slack
すでにSlackを利用しているのであれば、外観が大きく変わったと感じるポイントは2つ。デスクトップ版では「左端に見慣れないアイコンが並んだ」ことと「上の検索バーがなくなった」ことだろう。
今回のアップデートを一言で表すのであれば、「Slackの機能群が左端のメニューにまとまった」だ。
従来、左端にはユーザーが参加するワークスペースのアイコンが並んでいたが、新デザインでは機能を示すアイコンが並ぶ。上から順に、名前と簡単な機能概要を見てみよう。
自分宛の新着情報がわかりやすいアクティビティビュー。
出典:Slack
- ホーム(Home):従来のワークスペース内のチャンネルやスレッドのやり取りを表示するビュー(表示スタイル)。
- DMs:自分宛もしくは自分が含まれるグループのDMを確認するビュー。
- アクティビティ(Activity):ワークスペース内で自分宛のメンションが含まれる投稿やスレッド、リアクションを見るためのビュー。従来バージョンの「メンション&リアクション」に相当するが、任意の優先度をつけて整理できるようになった。
- 後で(Later):従来の「後で(旧:ブックマーク)」機能と同じ。後で対応すると決めた投稿をピン留めでき、それらを一覧で確認するためのビュー。
- Search:従来では上端にあった検索機能。2カラム表示で検索結果一覧と選択した投稿のスレッドを同時に確認できる。
- Create :Canvasやハドルの開始、DMやチャンネルの作成メニューがまとめられた。
通常はホームで作業をし、シチュエーションや用途に応じて各機能を呼び出すといった形が想定されている。
アクティビティの優先順位付け機能など細かい機能追加はあるものの、目新しい新機能が追加されたというよりも、従来サイドバーに点在していた機能がわかりやすくまとめられた、というのが実態だ。
Enterprise Grid加入社向けには複数のワークスペースを横断できる機能がホームビューにつく。
出典:Slack
ただし、大規模事業者向けのEnterprise Gridプランを契約している場合は、ホームビューで社内で参加している複数のワークスペースの情報を一元的に見られるようになった。
従来ではワークスペースを都度切り替える必要があったため、大企業の管理職のような立場であれば利便性は上がったと言えるだろう。
画像左からAndroidアプリでのホーム、アクティビティ、検索ビュー。
出典:Slack
また、レイアウトは異なるものの、モバイル版(Android、iPhone、iPad)のアプリもデスクトップ版(Web、Windows、macOS)に合わせる形で全体的にアップデートされる。
今後の新機能の動作も意図したアップデート
テーマのカスタマイズ性なども向上している。
出典:Slack
そのほか、外観からはわからないアップデートとしては「テーマのカスタマイズ性向上」と「アニメーションなどアプリの動作高速化」が挙げられる。
Slack プロダクトデザイン担当シニアディレクターのTina Chen(ティナ・チェン)氏。
画像:筆者によるスクリーンショット
今回のデザインアップデートについてSlackでプロダクトデザイン担当シニアディレクターを務めるTina Chen(ティナ・チェン)氏は、Business Insider Japanの取材に対し「他のことに煩わされず、重要なタスクに集中できる環境づくりを心がけた」と説明した。
また、チェン氏は「将来的に新たな機能が入ったときに使いやすいUIであることを心がけている」とし、今後展開予定の生成AI機能「Slack GPT」を含めた新機能についても、今回の新デザインにマッチする形で展開される見通しを語った。