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ここ数カ月の間でメタ(Meta)から解雇された多くの人々が、再雇用のオファーを受けている。
メタはここ数週間、特にエンジニアや技術職の採用ペースを徐々に上げ始めている。2022年11月以降にメタを解雇された従業員は、メタの 「アルムナイ(卒業生)ポータル」を通じて、採用募集中の求人に応募することが許されている。
同社は、2023年5月に終了した複数回に及ぶ人員削減で従業員の25%を削減した。そのうちの数十人が概ね6月以降に再雇用されたと、同社に詳しい3人の関係者は話す。メタはこの記事へのコメントをしていない。
マーク・ザッカーバーグCEOは 2023年を「効率化の年」と位置づけている。メタの大部分の部署はその方針に従って事実上の雇用凍結状態にあり、当面の間、それぞれの部署の従業員数と採用数は減らされている。
それでも、特定の分野では密か採用を増やしている。メタは、ユーザー数を維持しているばかりでなく、ツイッター(Twitter)のライバルとなるThreadsを立ち上げることにも成功したことで投資家たちの歓心を買っている。
募集職種は数百にのぼり、主にソフトウェア、ハードウェア、AR/VRなどのエンジニアリング職、インフラやデータセンターなどの技術職が多い。直近のレイオフで影響を受けたビジネス系の職種の採用はほとんど行われていないようだ。メタは管理職を大幅に減らしているため、募集している職種のほとんどはIC(Independent Contractor:独立請負業者)ができるレベルの業務内容だ。
メタは経験豊富な人材を求めており、新卒者やインターンの採用を減らしている、と別の関係者は話す。解雇された高レベルのエンジニアで、業績評価が良かった人が最も多く再雇用されているという。
メタは外部からも採用を募集している。解雇された者は、面接などの採用プロセスを最初から経なければならず、外部からの応募者と競争しなければならない。それでも採用の比率は「10対1」で、最近メタを解雇された者の方が有利だと別の関係者は語る。
解雇された2万人以上のメタ従業員の一部を再雇用する動きは、イーロン・マスクがツイッターの経営トップに立って最初の数週間に行ったことを彷彿とさせる。マスクの場合、レイオフや解雇を申し渡されたスタッフが会社からいなくなった後でそのスタッフが必要なスキルと経験を備えていたことに気づいたため、同じ役職で再雇用しようとした。だがメタでは、出戻り従業員の多くが以前とは違う職種で再雇用されており、給与や役職が下がることもあると関係者は語る。
メタに再雇用されたある人物は、前職と同じレベルの職種で雇用されたにもかかわらず、総報酬でおよそ10%の減給になったと明かす。しかし、メタの株価が上昇傾向にあることから、1年以内に以前の給与額に達するのではないかとその人物は予想している。
そんなメタのやり方を歓迎していない人もいる。メタを解雇され、現在、再雇用のプロセス中の別のある人物は最近、自分がもともと従事していた業務の求人広告を見つけたが、以前の自分の給与より20%安い契約社員のポジションになっていたという。