彼の現在の投資額は、退職時には3億円を超えるかもしれない(写真はイメージ)。
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- 28歳のブロガー兼ファイナンシャルアナリスト、ショーン氏の現在の純資産は25万ドルだ。
- 彼はもし今日貯蓄を辞めても、複利のおかげで退職時には資産が160万ドルから220万ドルになる見込みだ。
- しかし、彼のマネー戦略は複雑ではないという。彼のやり方はこうだ。
私は最近28歳になったばかりだが、資産はすでに25万ドル(約3600万円)以上ある。
その事実だけで、私は驚くほどメディアの注目を集めた。私が達成したことはすぐに見出しを飾るほどの力があったものの、その表面下にはさらに驚くべき意味が潜んでいる(25万ドルのほとんどは、億万長者ウォーレン・バフェット氏のお気に入りの投資戦略に習い、手数料の低いつまらないインデックスファンドに投資している。その詳細は後ほど説明しよう)。
20代ですでに25万ドル保有しているので、私はこの先1銭も投資しなかったとしても、退職時には資産が160万ドルから220万ドル(約2億3000万円から約3億1600万円)になっている見込みだ。インフレ調整後でこの金額だ!
早く始めることの効力
年配の人を見ると未来が分かると、かつて誰かが私に言った。その言葉は私の心に残っている。なぜなら、実際その通りだからだ。
祖母に聞けば次のモデルのiPhoneの画面のサイズを教えてくれるとか、そういうことではない。先人たちの生き方から将来の自分が見えてくるという意味だ。彼らの姿を見れば、働きすぎたり、遊びすぎたり、健康に気をつけなかったりすると将来どうなるか、そしてお金の管理の仕方次第で将来の生活がどう変わるかが分かる。
私は若い頃、2つの事例から自分が経済的に将来どうなるかは、次のいずれかだと気付いた:
- 高齢者の大半が、欠点だらけの社会保障制度を当てにしすぎていたためか、それとも一生働けるわけではないということを考えていなかったのか、老後のために貯蓄するのを忘れていた。彼らは遅かれ早かれ退職年齢にさしかかり、まるで大事な試験の前日に一夜漬けするかのごとく必死になって貯金を始めるが、気付いたのが遅すぎて貯められる金額も限られ、ストレスが頂点に達してしまう、という絶望的な状況に陥っていた。
- それとほぼ同時期に、私の知る人物の中で最も倹約家の祖父が、実は億万長者だったことを知った。所得の低い労働者階級の仕事で5人の子供を育てていたにも関わらず、基本的な株式市場の投資を利用し、退職時には口座に120万ドル(約1億7200万円)あったそうだ。
このように、方向性は真っ二つに分かれる:
Aパターン:投資を完全に先延ばしにする。お金を失うことへの恐怖に支配されてしまうかもしれない上、投資機会を逃し、確実に多額のお金を失うことになる。
Bパターン:前もって計画を立てる。お金の仕組みを学ぶことに専念し、今の消費習慣を少し変えるだけで、何十年にわたって複利の恩恵を受けることができる。
後者を選んだ私は、10代の頃から株を買い始め、小銭が入れば投資に使い続けた。そして大人になり始めた頃から、無駄な出費を減らして最大限幸せになるために慎重に人生設計した。
私は大きな家や高級車、ハイブランドの服や最新家電などには手を出さなかったが、ケチではなかった。むしろ、たくさん貯金をしたおかげで、友人と一緒に何かを経験したり豪華な旅行をするなど、自分にとって価値のあることに一層お金をかけることができた。
なかでも最高なのは、急速に増える残高からしか得られない安心感のおかげで、お金に関わるストレスがまったくなく、非常に幸せだという事実だ。
25歳の時、気付いたら資産は10万ドル(約1440万円)となっていた。私はブログを始め、自分の純資産を毎月追跡するようになった。
その結果が今にある。私は給料が年10万ドルを超えることはなかったが(実際、貯蓄を始めて以来ずっと5万ドル[約720万円]前後という初任給並みの年収だが)、純資産が25万ドルに到達した。
その25万ドルのおよそ半分を確定拠出年金(401k)や個人の退職年金プラン(Roth IRA)の口座に入れ、残りの半分は税引後の証券口座に入れた。そもそも、その25万ドルは私が見つけた中で最も手数料が安く、最も広範囲に多角化されたバンガード・インデックスファンドへの投資で貯めたものだ。
面白くなるのはここからだ。
今日、貯蓄を辞めたらどうなるか?
今、私は狂ったように貯金しているが、もし完全にこれを辞めたらどうなるのだろうか? 数週間前に、私はある実験を行うことを決めた。
複利は宇宙で最も強力な力であるということは、金融学では常識だ。しかし、果たしてどのくらい強力なのか?
私は金融電卓を叩いてみた(複利のボタンがいくつか追加されている以外は、不思議なくらい通常の電卓とほとんど変わらない電卓だ)。
仮定:
- 今後、1銭たりとも貯金や投資をしない。
- 私のお金は、株式市場の過去の事例に基づき、インフレを差し引いて年6~7%のリターンを得る。
- 自分のポートフォリオを60歳になるまで複利化させる(60歳という設定は、401(k)やIRAの出金ルールに則った”一般的な”退職年齢だ)。
私は電卓に数字を入力しEnterキーを押して、驚いて椅子から落ちそうになった。年6%のリターンで、20代のうちに貯めたお金が158万2525ドル(約2億2790万円)になることが分かったのだ!
7%だったら、213万7194ドル(約3億780万円)だ!!!
複利は宇宙で最も強力な力である。
Andy Kiersz/Business Insider
すでに年間約3%のインフレを考慮して調整済みなので、今日の160万〜220万ドルとまったく同じ分購入できることになる。
今後について
何十年もの間、大半の人がいずれ退職する時のために十分な貯金をしようと嫌いな仕事に没頭してきたが、達成できた人は少ない。
それでも、早い段階でほんの数年「犠牲」を払ったおかげで、私はフルタイムの仕事に就いてわずか5年で基本的に余生の準備が整った。この世界で多大なストレスをもたらしている目標をすでに達成しているおかげで、私には無限のチャンスが開かれている。
老後のための貯金が「完了」したため、現実的に私には以下の選択肢がある:
- 貯金を完全に辞めて、稼いだお金をすべて使って贅沢な暮らしを始める。
- 何年も貯金を続け、非常に裕福なレベルまでポートフォリオを構築する。
- ストレスの多い金融の仕事を離れ、低賃金でも夢だった仕事に就く。
- しばらく仕事を休んで世界を旅したり、起業家としての夢を追求する。
- あと数年がむしゃらに貯金を続け、60歳ではなく30歳で早期リタイアする。
重要なのは、選択肢ができたということだ。十分な貯金があれば、誰もが私のように選択肢を得ることができるのだ。
今日から始めて、選択肢を得よう
私の事例が素晴らしいのは、若くして偉業を成し遂げたことではなく、私がとった戦略が非常に簡単で、やる気になれば誰でも簡単に真似できるという点だ。
私は驚くべき投資戦略や運の良い暗号通貨バブルで利益を得たわけではないし、宝くじを当てたわけでも、事業を売却したわけでも、高い地位に昇進したわけでもない。
私は単純に、できるだけ早く投資を始め、最低限のコストで快適に暮らせる人生設計を行った。そこから、インデックスファンドにできるだけ投資し(最もシンプルな投資とも言える)、複利の魔法で資産を増やしてきたのだ。
私ほど早く投資を始めなかったとしても、長期にわたる複利の力を過小評価してはいけない。物理学者のアルバート・バートレット博士は、金融全般に関して最も的を得た名言を残している:
「人類の最大の欠点は、指数関数を理解できないことだ」
金融電卓が示した数字を見て、私は自分のポートフォリオの複利をどれだけ過小評価していたかを知りショックを受けた。同じような人は多いのではないだろうか。
今日から投資を始め、複利で富を得るための強力な基盤を築こう。そうすれば、知らないうちに選択肢が沢山できている。それこそが、まさにこのマネーゲームの真髄だ。