ノア・トムキンソンさんたちは火災から逃れるために海へ。
Noah Tomkinson/GoFundMe
- ある家族は海の中で5時間耐えることで、ハワイのマウイ島の山火事を生き延びた。
- 炎が迫る中、ノア・トムキンソンさん(19)は弟のマイロさん(13)や母親とともに海へ逃れた。
- これまでに93人の死亡が確認されている今回の山火事は、アメリカ近代史上最多の犠牲者を出している。
2人の少年とその母親は、胸まで浸かるほどの深さの海の中で5時間耐えることで、ハワイのマウイ島で発生した山火事を生き延びた。
炎が迫る中、ノア・トムキンソンさん、弟のマイロさん、母親の3人はラハイナの自宅から避難することにしたとCBS Newsが報じた。
3人は当初、車で避難していた。ところがすぐに渋滞で身動きが取れなくなり、別の方法を考えなければならなくなった。
「本当にひどい状況になったら、水のそばにいた方がいいとずっと頭の片隅にあったんだ。海に飛び込めば助かるだろう、と。それが現実になった」とノアさんはNBCに語った。
「通りを歩いて渡っていたら、ぼくたちは火に囲まれていただろう」
海の中で動けずに救助を待つ間、弟のマイロさんは自分はただただ「サバイバルモード」だったという。
ノアさんがシェアした動画は、炎が背後に迫り、濃い煙が立ち込める中、一家がなんとか海中で耐える様子をとらえていた。
ノアさんは弟に「マイロ、大丈夫だからね」と声をかけるなど、家族を落ち着かせようと努めていた。
その後、母親は海の中で身体が冷え切ってしまい、兄弟はどうにかして母親を温めようと身を寄せ合ったという。
「もしぼくたちが1人だったら助かったかどうか分からない。家族が皆、一緒だったことが一番の助けになった」とノアさんは話している。
一家は火災が収まったのを確認してから陸に上がり、消防士に救助されたとCBSは伝えている。
今回の山火事で自宅や財産を失ったノアさんは、GoFundMeのページを立ち上げて、一家が生活を再建するための寄付を募っている。
マウイ郡によると、今回の山火事による死者数は8月12日の時点で93人にのぼるという。
今回の山火事はアメリカ近代史上最多の犠牲者を出している。これまでは2018年のカリフォルニア州での85人が最多だった。