NASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡によるこの写真には、サンライズ・アーク(日の出の弧)と、その銀河内にある、これまでに観測された最も遠い星が写っている。
NASA, ESA, CSA, D. Coe (STScI/AURA for ESA; Johns Hopkins University), B. Welch (NASA’s Goddard Space Flight Center; University of Maryland, College Park); Z. Levay
- NASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、これまで検出された中で最も遠い恒星の新しい画像を捉えた。
- エアレンデルというニックネームのこの星は、太陽の2倍の温度で、地球から約280億光年の距離にある。
- この星は「サンライズ・アーク(日の出の弧)銀河」の中に赤い点として見える。
NASAのジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が、これまで発見された中で最も遠い星、エアレンデル(Earendel)の色を明らかにする新しい画像を撮影した。
エアレンデルは2022年、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)によって初めて発見された。NASAは先週のプレスリリースで、この星は太陽の2倍以上熱く、「約100万倍明るい」と述べた。
エアレンデルは、画像中央の青い回折スパイクのある明るい星ではない。
エアレンデルは、サンライズ・アーク銀河の中に赤みがかった点として見える。
NASA, ESA, CSA, D. Coe (STScI/AURA for ESA; Johns Hopkins University), B. Welch (NASA’s Goddard Space Flight Center; University of Maryland, College Park). Image processing: Z. Levay.
この星は、画像の5時の位置にある回折スパイクの下に、長くカーブした赤い軌跡として現れているサンライズ・アーク銀河の中に赤っぽい点として捉えられている。エアレンデルは非常に遠くにあるため、その光が地球に届くまでに何十億年もかかっている。その結果、この画像はビッグバンから10億年後、つまり約129億年前の星の姿を写している。
Space.comによれば、ビッグバン以降、宇宙は膨張し続けているため、この星は現在地球から約280億光年離れている。
その膨張によって、エアレンデルからの光の多くは、HSTの観測装置では検出できないほど長い波長に引き伸ばされている。しかし、JWSTはHSTの100倍も強力で、遠くの星のこれまで見られなかった色をとらえた。
これらの色は、これまで検出された中で最も遠い星だからといって、エアレンデルが孤独な星であるわけではないことを明らかにしている。
エアレンデルのように巨大な恒星には通常伴星が存在するが、HSTはエアレンデルの伴星を検出することができなかった。しかし、JWSTの強力な赤外線検知能力のおかげで、科学者たちはエアレンデルの隣に「より冷たく、より赤い伴星」を見ることができると信じている。
JWSTの鋭い眼は、サンライズ・アーク内の新しい星団や星形成領域も明らかにした。
エアレンデル以前には、ビッグバンから40億年後の最も遠い星が観測されている。この記録保持者もHSTによって検出された。エアレンデルの場合は、巨大な銀河団の重力が星を拡大して見せている。
NASAによれば、研究者たちは最終的に、宇宙と時間のはるか彼方までさかのぼり、宇宙に存在する星の第一世代の星を発見したいと考えている。その星たちは、水素とヘリウムを合成してより重い元素を作り、惑星を形成し、最終的に地球に生命を誕生させた。