月100円投資、どのように成功に導くか? お金を賢く育てる7つのステップ

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月100円投資を、ぜひ投資を学ぶいい機会に。

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  • 月100円投資のような少額投資は、まだ資金の少ない、特に若い世代にはありがたい存在だ。
  • しかし、ずっと月100円で投資を続けていても、お金はなかなか増えない。
  • 思い立ったらすぐに、NISAやポイントなどで運用を開始し、慣れてきたら無理のない範囲で元本を増やしていこう。

いまは多くの人に投資が開かれている時代。月100円投資は、その最たるものと言ってもいいでしょう。

こういった少額投資は、まだ資金の少ない、特に若い世代にはありがたい存在です。しかし、ずっと月100円で投資を続けていても、お金はなかなか増えません……。

では、この月100円投資、どのように成功へ導けばいいのでしょうか? 7つのステップにまとめてみました。

1. 始めるなら投資信託で

まず、月100円で投資を始めるには、何を購入するべきなのでしょうか?

いまや個別株であっても100円程度から買える仕組みがあります。ですが、さまざまなデータの分析が必要不可欠な個別株の売買は、初心者にとってギャンブルに陥りやすいもの。

なので、やはりまずは「投資信託」の積み立てから始めると良いでしょう。投資信託とは、プロが選定してくれた株などのパッケージに対して、月100円や月1000円などの少額から積み立てができる商品のこと。

例えば「世界中の株に幅広く分散投資をするタイプ」の投資信託を選んだとしましょう。そうすれば「どの株にしよう」「どの国にしよう」などと考えなくても、毎月たった100円や1000円でも、世界中の株へ簡単に分散投資ができてしまいます。

投資信託は、通常の課税口座でも購入可能。ですが、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)で購入すれば、利益が出ても約20%の税金がかからないので、おトクといえます。

2. NISAかポイントがおすすめ

ただし、iDeCoの場合は注意が必要です。最低金額が月5000円からなので、月100円や1000円の少額では始められないのです。

また、iDeCoの場合は、口座を保有するだけで毎月手数料がかかります(ここはNISAと異なる点)。そこで手数料負けしないためにも、月5000円ではなく月1万円は積み立てられる余裕が生まれてから始めることを筆者はおすすめしています。

さらに、iDeCoはNISAと違って、いつでも現金化できるわけではありません。あくまで年金なので原則60歳までは、現金として引き出せないのです。そのため「月1万円以上を継続して積み立てが可能」「60歳まで現金化しなくていい、お金のゆとりがある」というような状況になってから始めると良いでしょう。

そう考えると、投資初心者の方が月100円や月1000円で投資信託の積み立てを始めるには、NISAがもっとも適切かと思われます。

また、現金を使わない、ポイント投資という手段もおすすめです。「現金は減るのが怖いけれど、投資を試してみたい」という方は、まずはポイントで投資デビューしてみるのもよいでしょう。

3. いつ始めるか? 今しかない!

投資信託の積み立ての場合、実は十数年前まで、最低積立金額が月1万円でした。筆者もそのころに投資信託の積み立てを始めています。

超初心者にとって、月1万円の積み立てを始めるのは勇気がいるものでした。当時は、世の中の情報も少なく、信託報酬などのコストが高めで、投資信託の積み立てをしている人が周りにほとんどいなかったのです。

今は情報もたくさんありますし、コストが低い商品も増え、月100円や1000円から始められます。まさに多くの人に投資が開かれている時代となりました。

せっかく投資をしやすい時代になったので、まずは実際に少額で経験をしてみてから勉強することをおすすめします。もちろん勉強することも大事ですが、いつまでたっても始められなければもったいない。まずは身をもって経験することで理解が深まることも多いはず。

ただし、投資は元本保証ではありません。なので、一時的に減る可能性があるということは、しっかり理解しておきましょう。決して、生活に必要な最低限のお金を投資資金にすることはないよう気をつけてください。

4. 慣れてきたら、元本を増やそう

とはいえ、正直なところ、月100円や1000円などの少額の積み立てをずっと続けていても、資産はなかなか増えません。利回りが3%だとすると、月100円なら、10年積み立てをしていても、1万2000円の元本で、1万4000円にしかならないのです(税金を考慮せず。以下同)。

ところが、同じ利回りで月1万円の積み立てなら、元本が120万円で資産が約140万円に増えます。これなら「だいぶ増えたな」と感じるのではないでしょうか。つまり、資産を増やしていくには、投資を続けることはもちろんのこと、「投資に回す元本を増やすこと」も大切なのです。

そのため、月100円などで投資を始めて慣れてきたらぜひ投資額を増やしていけるといいでしょう。

5. 元本を増やすには「節約」も大事

でも、若い世代なら「月数千円も投資に回す資金がない」という方も多いと思います。その場合は、支出を見直してお金を捻出してみましょう。無理のない範囲で支出を減らして、浮いたお金で投資に回すお金を月3000円や5000円、1万円と増やしてみるのです。

例えばスマホを格安スマホに乗り換えたり、ラテマネー(ペットボトルやコンビニのドリンクなど、100円や300円くらい、当たり前のように習慣化している小さな支出の積み重ね)を半分に減らしてみたり、とトライしてみてください。無駄な支出を見直せば、意外と月数千円くらいは浮くはずです。

そのうえ収入が増えて、家計に余裕ができれば積立投資に回す金額をさらに増やしていけるでしょう。

6. 投資方法は淡々とシンプルに

元手を増やしたからといって、投資先をどんどん手広くする必要はありません。基本的には、引き続き淡々と同じ投資先に投資を続けると良いでしょう。

というのも極端な話ですが、5000円もあれば100円ずつ50種類の投資信託を購入することも可能です。しかし、そんなに投資先を増やすと何に投資しているか分かりづらく、資産全体で見ると投資先に変な偏りが出ることもあります。さらに、それぞれからの運用報告書が届いても混乱するので避けた方が良いでしょう。

例えば「世界中の株式に幅広く投資するタイプを1本」と決めたら、5000円でそれ1本にしたほうが、シンプルで分かりやすいと思います。または、「先進国の株式」「新興国の株式」と内容が被らないものを選んで、例えば3000円と2000円などと分けてもいいでしょう。

7. 「儲ける」ではなく「育てる」

最後に、心構えのお話です。投資初心者でときどき見られるのは、以前は「投資とは無縁」だと思いながら眺めるだけだったのに、いざ始めてみると「せっかくだから、大きく儲けたい」と山っ気が出てくるケースです。でも、それは危険な兆候。気をつけてください。

確かに一日で莫大な利益を得るような投資方法は存在します。しかしそれは、同時に莫大な損が出る可能性も大いにあり、投資ではなく「投機」という行為。ほぼギャンブルです。

投資はあくまで、浮き沈みの波を繰り返しつつ、長い年月をかけて複利の効果をもって成果を得るもの。ある程度の結果が得られるまでに、最低5年はかかると考えておいた方が良いでしょう。

しかし、そのように育てた資金は盤石に皆さんの将来の安心を支えてくれるはずです。そのためにはお金を儲けようとするのではなく、あくまで「お金を育てる」という意識で向き合うことが大事です。

あらためて、いまは多くの人に投資が開かれている時代。月100円投資はその最たるものです。まずは気軽に始めてみて、ぜひ投資を学ぶいい機会にしてみてください。

※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。

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