新しくクレジットカードを発行する前に、自問しておきたい4つのこと。それはあなたにとって正しい選択肢?

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ヴァーチャルクレジットカードは多くのセキュリティリスクを軽減してくれるが、アカウントがハッキングされれば新たな危険が生じかねない。

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  • アメリカではインフレが長引き、クレジットカードの借り入れに頼って生活する消費者が増えている。
  • クレジットカード利用の増加に伴い、支払いの滞納も増えると予想される。
  • クレジットカードの真の経済的コストを知り、カードを持つ余裕が今の自分にあるのかどうかを見極めよう。

ニューヨーク連邦準備銀行によると、アメリカ国内のクレジットカードの債務残高は過去最高額に達している。長引くインフレのなか、スーパーやガソリンスタンドで感じる価格上昇を補うためにクレジットカードが使われているのだ。

利用増加を受け、各クレジットカード会社は発行件数の増加を見込んでサービスを強化している。信用調査会社トランスユニオン(TransUnion)の予想では、2023年におけるクレジットカードの新規発行数は、2019年と比べて1400万枚増える見込みだという。

正しく利用すれば、クレジットカードは誰にとってもさまざまな用途に使える便利なツールになる。問題は、カードの利用が借金や支払い滞納につながる場合だ。クレジットカードの発行と利用の増加に伴い、支払い滞納も増えると予想されている。滞納率は2022年末の2.1%から2023年末には2.6%に増加するとトランスユニオンは予測する。

新しくクレジットカードを作る前に、以下のことを自問して、そのカード発行があなたにとって正しい行動かどうかを確認しよう。

1. 今の自分にクレジットカードを持つ余裕はあるか?

クレジットカードを増やせば使えるお金が増えると思う人もいるかもしれないが、そんなことはない。カードを使えばタダで買い物ができるというわけではない。クレジットカードを使えば、発行者は支払いを期待する——ときには利息付きで。支払いに加算される利息が予算を圧迫するのなら、クレジットカードは今のあなたにとってベストな選択肢ではないかもしれない。

2. 自分はカードの金利を知っているか?

クレジットカードの負債は最も高くつく借金になりかねない。ほとんどのクレジットカードの借り入れにかかる金利は2桁で、なかには20%を超えるものもある。金利で見れば奨学金や住宅ローンのほうが大抵ははるかに低い。金利が高いクレジットカードの利用は、すぐに支払えるとわかっている短期的な買い物にこそ最適だ。

3. 自分はカードの利用額をすべて支払えるか?

クレジットカードをうまく使っている人は大抵、特定の目的のためにカードを利用し、すぐにその利用額を支払っている。

クレジットカードの利用にはメリットがある。たとえば、旅行向けのクレジットカードを使えば、ショッピング保険や海外旅行保険、海外利用時の手数料無料といった特典を得られる。利用額をすぐに支払うつもりの計画的な出費に使うことこそ、クレジットカードの賢い利用法である。

しかし、最低支払額を払うだけでは、結局高金利の負債を抱えることになる。カードの利用明細にある警告文を見てみよう。最低額しか支払わない場合に利用残高をすべて払い終えるのに何年かかるかが書いてある。つまり、クレジットカードでワンピースやコーヒーを買ったときに、本来の価格よりはるかに大きな支出になりかねないのだ。

4. なぜ自分はそんなにクレジットカードが欲しいのか?

クレジットカードは誰でも使えるものではないし、誰もがクレジットカードを必要とするわけでもない。では、あなたの資産プランにおいてクレジットカードはどのような役割を果たすのか? 信用履歴を築くため、あるいは自分にとって実際に役立つ特典を利用するために必要で、毎月の利用残高を支払える余裕があるなら、クレジットカードはメリットをもたらす。

しかし、もしあなたがクレジットカードを追加で使えるお金として見ていて、服、家庭用品、食べ物、ガソリンなど、価値が減耗するものをたくさん買い、本来払う必要のない高い利息を支払っていたり、あるいは利用残高が膨れ上がってしまってすぐには払いきれなくなっているのなら、クレジットカードは今のあなたにとって適切な選択肢ではないかもしれない。

もっとお金が必要な状況にあるのなら、カードで借金をするよりも収入を増やす方法を探ったほうがいいだろう。

クレジットカードは正しく使えば有益である。ただしあくまでも選択肢の1つであって、必要なものではない。

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