サムスンは折りたたみスマホの最新機種を日本に導入する。
撮影:小林優多郎
サムスン電子は8月22日、新型折りたたみスマートフォン「Galaxy Z Flip5」と「Galaxy Z Fold5」の日本展開を発表した。
国内ではNTTドコモとKDDIが9月1日から発売予定。価格については両事業者の発表を待つ必要があるが、Fold5については両社それぞれのオンラインストアで大容量ストレージ版も展開される。
- Galaxy Z Flip5(NTTドコモ/KDDI)……256GB版
- Galaxy Z Fold5(NTTドコモ)……256GB版、512GB版(オンライン限定)
- Galaxy Z Fold5(KDDI)……256GB版、512GB版(オンライン限定)、1TB版(オンライン限定)
Flip5は折りたたみ時でもLINEが使えるように
Z Flip5の「フレックスウィンドウ」は大型化し、操作性が向上している。
撮影:小林優多郎
Galaxy Z Flip5もFold5も7月25日にサムスン電子が開催したグローバルイベントで発表された新機種になる。
特に注目度が高いのは縦に開く折りたたみスマホのFlip5だ。人気の理由はその特徴的な外観やコンパクトなサイズ感にもあるが、Fold5よりもいくぶん値段的におとなしいことにもある。
特徴は前機種から大幅に大型化した折りたたみ時のディスプレイ「フレックスウインドウ」だ。
Flip4でも通知や音楽再生のコントロール、自撮りカメラへの利用はできていたが、ディスプレイサイズは横長の1.9インチで、小さな窓を覗くような感覚で使うサブディスプレイ的な立ち位置だった。
今回のフレックスウインドウでは3.4インチになったことで、表示できる情報量も増えて活用の幅が広がった。
モトローラの同タイプの折りたたみスマホ「razr 40 Ultra」とは違い、Flip5では基本的にサムスンが用意した天気や通話履歴、カメラなどのミニアプリ(ウィジェット)を表示する使い方になる。
「ラボ機能」を有効化して「Googleマップ」アプリを起動したところ(オフラインのため地図は表示されていない)。
撮影:小林優多郎
ただし、Flip5ではラボ機能(ユーザーが設定アプリから有効化する機能)として、特定のアプリがフレックスウインドウで使えるようになった。
すべてのアプリが対応しているわけではないが、GoogleマップやYouTube、メッセージには対応。日本で人気のアプリだと、LINEやネットフリックスにも対応している。
フル機能を持つアプリを使えるとはいえ、3.4インチの画面で表示となるとその使い勝手は当然「開いた」方がいい。だが、例えばLINEのようなメッセージアプリの場合は「サクッと返事をしたい」ニーズに応えられる。
日本で展開されるFlipsuit Caseのカード。カードを入れるとフレックスウィンドウのデザインも変わる仕組み。
撮影:小林優多郎
また、純正アクセサリーも豊富で、中のカードを差し替えることで「着せ替え」ができるFlipsuit Caseや落下防止のリングがついているSilicon Case with Ringなどを用意。
本体を薄型化・高機能化し、豊富なアクセサリーも用意することで、個性を示したい若者層向けにもアプローチする狙いがある。
ペン対応のFold5は薄型化。大容量モデルは差額をポイント還元
開けば7.6インチの大画面で使える「Galaxy Z Fold5」。前機種・Fold4よりディスプレイの最大輝度が1300nitから1750nitに明るくなっている。
撮影:小林優多郎
一方、横に開くGalaxy Z Fold5はマルチタスクやペン対応を求めるビジネスパーソンに向けた折りたたみスマホになる。
全機種に比べて本体を薄型化、ヒンジを強化するなど進化点はやや地味な部分が多いが、5世代目なだけあってその操作感や機能は豊富だ。
Foldシリーズ専用ペンである「S Pen Fold Edition」はこれまでのシリーズ同様でワコムのEMR技術を採用しているが、新たにIP68相当の防水・防じん性能を有している。
なお、本体にS Penは付属しないが、S Penを収納できるケース「Slim S Pen Case」は別売で用意。前機種・Fold4向けのものと比べると、S Pen自体も直径7.7mmから4.35mmに薄型化しているが、ケース自体も28.37mmから20.63mmになっている。
Fold5のラボ機能「フレックスモードパネル」では、YouTubeなどの特定の動画アプリで操作パネルとして活用できる。
撮影:小林優多郎
前機種・Fold4は日本では25万円前後という価格帯で、Fold5も同程度と予想されるため「手頃な価格」とは決して言いずらい。
ただ、サムスン電子は事前購入などの特典で自社のワイヤレスイヤホンを付けたり、さらに高価な大容量モデル購入の際には、その半分の容量のモデルの価格との差額をポイントで還元するキャンペーンを実施。
さらに、NTTドコモと連携して最短60分間の修理完了をうたう修理拠点「Samsung Customer Service」を現在全国10カ所で提供しており、8月31日から神戸、千葉、池袋にも設置する。
高価ながらもキャンペーンやサポートを手厚くすることで、折りたたみスマホを普及させていく考えだ。