早期退職をしたいなら、早めの計画が大切だ。
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- たいていの人は、自分が退職するのは60代か70代だろうと考えている。だが、なかにはもっと早くリタイアする計画を立てている人もいるようだ。
- もしあなたが40代半ばで退職したいと思うなら、本記事で紹介しているファイナンシャルプランナーたちのアドバイスが頼りになる。
- 職場の福利厚生を利用する、出費を減らす、昇給した分を節約する、できる限り積み立てをする、などはいずれもその後に役に立つはずだ。
最近、筆者はあらゆる友人をつかまえて、個人的だがぜひとも知りたい質問をしている——何歳くらいで退職するつもりか、と。たいていの場合は、長い間を置いた後に、あまり考えたことがないよ、と返ってくる。
しかしある日、1人の友人が45歳までには退職するつもりだと言った。彼女にとって、たった18年先だ。衝撃的だった。私自身はいつも、おそらく65や70あたりで退職するのだろうと考えていた。なぜなら、資産計画に真剣に取り組みはじめたのが30代前半になってやっとだったからだ。
その友人がその目標に向けて、何をしているのか知りたかった。そうすれば、私もその行動を自分のお金の扱い方に取り入れてもっと早くリタイアできるかもしれない。そこで、何人かのファイナンシャルプランナーと話をし、45歳までに退職したい人が今から実行できる計画や貯蓄法について聞いた。
1. 職場の福利厚生をフル活用する
私が自分の退職計画について大いに後悔しているのは、過去に勤めた会社が提供していた福利厚生制度に加入しなかったことだ。
ファイナンシャルプランナーのチャールズ・トーマス3世氏によれば、平均的なアメリカ人労働者の報酬の約3分の1は福利厚生の形で提供されているという。だから、職場の退職手当は絶対にフル活用すべきだと同氏は指摘する。
「福利厚生には膨大な価値があるのに、多くの従業員はそれを十分に活用せず、ほったらかしにしている」とトーマス氏は言う。「職場の福利厚生は最大限利用するといい。特に、健康保険制度や企業型確定拠出年金などは」
2. 出費を徹底的に管理する
45歳までに退職したいと考えている私の友人は、それこそが彼女にとって第一の目標であり、この目標が予算の組み方やあらゆる支出の基準になっていると語った。トーマス氏も、40代でリタイアしたいのならリタイア前もその後も支出をしっかり管理することが重要だという。
「毎日銀行アプリばかり見て過ごすという意味ではなく、むしろ、利用している銀行が新たな手数料などを導入したらすぐに対処するということだ」とトーマス氏は言う。「また、予算を厳守して計画どおりに支出するということでもある」
3. 税制優遇口座でできる限り多く
私が退職資金をめぐって犯している大きな間違いは、毎月積み立てていないことだ。毎月きちんと拠出すれば積み重なって巨大な価値になる、とコースタル・ブリッジ・アドバイザーズ(Coastal Bridge Advisors)でパートナー兼プランニングディレクターを務めるファイナンシャルプランナーのマイク・カザケウィッチ氏は指摘する。
「時間と複利効果は、やがて大きな資本成長をもたらす。それを税制優遇のある口座で行なえば、成長に伴う税金の影響を減らすことができる」
4. 明確な計画を立て、それに従う
45歳でリタイアするという考えには惹かれるが、自らそれを目指す前に、その実現のためには何が必要かを理解することが大切だ。カザケウィッチ氏は、計画を立ててそのとおりに行動することの重要性を強調した。
「何もせずに45歳でリタイアすることはできない。ゴールに辿り着くための具体的な中間目標と行動が必要だ」とカザケウィッチ氏は言う。「45歳で退職するために必要な資金を理解することで、年間の目標貯蓄額を達成するための戦略を立てやすくなる」
5. 昇給分を貯蓄する
ソーファイ(SoFi)で資産計画担当シニアマネージャーを務めるファイナンシャルプランナーのブライアン・ウォルシュ氏は、退職資金を貯める戦略の1つとして、ボーナスや昇給分のお金を貯蓄に回すことを勧める。
特に若い人は、昇給分をできる限り多く貯蓄することを検討すべきだ。また、「ライフスタイル・クリープ」(自由に使える所得が増えるにつれて生活レベルが上がる現象)は、現在の資産総額よりも将来的に重大な影響を及ぼす可能性もある。
「昇給分の大半を貯蓄すれば、2つの効果がもたらされる。1つは、資金が増えるので、運用によって時とともに資産が成長するということ」とウォルシュ氏は言う。「2つめは、出費の増加を抑えられるので、退職後に生活水準を維持するために必要な資金が少なくて済むということだ」