8月23日のインドの歴史的月面着陸を3Dで再現したライブストリーミングの静止画。
ISRO
- インドは水曜日、月の南極に宇宙船を着陸させた最初の国として歴史をその名を刻んだ。
- その数日前、ロシアの宇宙機関は「月の天然資源の開発競争が始まった」と述べていた。
- 月の商品価値についての試算は幅が広く、1兆ドルを優に超えるものもある。
この天体に関する世界的な競争が過熱する中、「To the moon」はもはや仮想通貨マニアだけの呼びかけではない。
2023年8月23日、インドは氷のクレーターと鉱物からなる月の南極に宇宙船を着陸させた最初の国として歴史にその名を刻んだ。
チャンドラヤーン3号はインドにとって2度目の挑戦であり、その成功は極点到達における他国の失敗とは対照的だった。インドのタッチダウンのわずか数日前に、ロシアのルナ25号が月面に近づいたが墜落したのだ。
ロシアのミッションは失敗に終わったが、ロシア国営宇宙機関「ロスコスモス」のユーリー・ボリソフ(Yury Borisov)社長は、月への帰還は国益の問題であると述べた。「これは、防衛能力を確保し、技術的主権を達成するためのものだ」と彼はロシア24に語っている。
「もちろん、月の天然資源の開発競争が始まっているからだ。今日でもそれは実用的な価値がある」
中国とアメリカもまた、この月面探査レースの参加者だ。というのも、中国とアメリカは、水が豊富にあると言われる南極に到達するという同じような計画を持っているからだ。
水は宇宙船の燃料源となる可能性があり、月は火星やその他の深宇宙へのミッションの中継地点として機能する。また、将来のコロニーに住む人々にとっても水は必要だろう。
月には他にも資源があり、採掘すれば利益があるかもしれない。月に存在する物資の価値については、さまざまな試算がなされている。
2015年、NASAは月に「数千億ドル」の未開発資源があるとし、潜在的な「月のゴールドラッシュ」だと述べた。
NASAは水に加えて、核融合に利用できるヘリウム3についても指摘している。また、電子機器に使用されるランタノイド、スカンジウム、イットリウムのような希土類金属は、現在はそのほとんどが中国で生産されている。
一方、2022年にデイリー・メール紙に掲載された試算では、月の水は2000億ドル以上、ヘリウムは1.5兆ドル、金属は2.5兆ドルと評価されている。レアアースの他にも、玄武岩、鉄、石英、シリコン、プラチナ、パラジウム、ロジウム、チタンなどの鉱物が含まれている。
儲かる元素を含む天体は月だけではない。平均的な直径が226kmの小惑星「プシケ」は、金、鉄、ニッケルからできていると考えられている。この小惑星の鉱石は約1000億ドルの価値があると見積もられている。もう一つの小惑星ダビダは27兆ドルの価値があると考えられている。
2015年の「商業宇宙打上げ法」は、企業に宇宙で採掘された物質の法的権利を与える。そして、これを理論的に実現する技術をテストする企業もすでに登場している。