世界がCOVID-19のパンデミックから回復するにつれ、仕事の未来を巡って激しい論争が巻起こっている。
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- オーストラリアのある銀行のCEOが、従業員らに対し、出社する頻度を上げるように命じた。
- 従業員らの「メンタルヘルス」のためであり、生産性のためではないとCEOは述べた。
- この発言が、行員らの大反発を引き起こしているとnews.com.auは伝えている。
オーストラリアの地方銀行のCEOが、従業員らに対し、出社する頻度を上げるように命じ、それが従業員らの「心の健康」のためであり、生産性のためではないと発言したことが、大反発を引き起こしている。
「皆が一緒にいる方が良い」とベンディゴ・アンド・アデレード・バンク(Bendigo and Adelaide Bank)の最高経営責任者(CEO)、マーニー・ベイカー(Marnie Baker)は、news.com.auが8月23日にライブ配信した動画で述べた。
「生産性の問題ではない。あなた方が生産的であることに疑いはないので、生産性のことを言っているのではない。そうではなく、我々が話しているのは、心の健康のことであり、我々がリレーションシップ・バンクであるという事実であり、顧客や地域社会との関係のことだ」
CEOは動画の中で、最前線にいる行員は「週5日、ずっと」出社しているのだから、それ以外の者が出社する頻度を上げるのは「無理なことではない」と付け加えた。
そしてベイカーの発言が、行員らの大反発を引き起こしているとnews.com.auは報じた。
「はっきり言って、私の心の健康は、実際、かなり悪化している。睡眠時間を削って、1日の労働時間を2時間増やさなければならないことや、最近は『仕事の内容で席が変わるホットデスキング』で、誰がどこに座るか、くじ引きで決めるような職場のせいで」と、ある行員は匿名でnews.com.auに語った。
ベイカーCEOは8月24日、Insiderに対し、最低でも週2日出社するよう命じはしたが、引き続き、ハイブリッド勤務もサポートしていくと語った。
「ベンディゴ・アンド・アデレード・バンクは理解している。従業員の働き方が変わったこと、多くの者がリモートで働くことでワーク・ライフ・バランスを柔軟にすることを選んでいるということを」とベイカーは声明で述べた。
パンデミック後の職場の未来に取り組んでいる企業は、同行だけではない。
著名なビジネス・リーダーたち、例えばテスラ(Tesla)とスペースX(SpaceX)のCEO、イーロン・マスク(Elon Musk)や、JPモルガン(JPMorgan)のジェイミー・ダイモン(Jamie Dimon)CEO、億万長者の投資家マーク・アンドリーセン(Marc Andreessen)らが職場復帰を支持している。
特に若い労働者らにとっては、直接指導を受けることができるというメリットがあるとダイモンとアンドリーセンは述べている。ダイモンは、通勤時間が長いことが嫌なのであれば、どこか別の場所に行けば良い、とすら述べた。
一方、マスクは5月、CNBCのインタビューで、リモートワークは「道徳的に間違っている」と語った。
ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)も、週5日出社を要請しており、在宅ワークへの弾圧を強化している。