撮影:苫米地結子
最近、お気に入りの鍋掴みの汚れが目立ってきた。
おそらく焦げや油が原因であろう、黄色いシミが素材に染みついている。使い込んでできた、よれたシワも気になる。
きれいな状態に戻したいとは思っているものの、ウール素材なのでガシガシ洗濯する訳にもいかず、困っていた。
ウールも洗える竹の洗濯水
PRISTINE「ウールも洗える洗濯水(500ミリリットル)」税込1958円。別売りで詰め替え用もあるようだ。
撮影:苫米地結子
ウール素材でも洗える洗剤を探していたところ、「竹の洗濯水」という洗剤を見つけた。
竹で洗濯……?と一瞬目を疑ったが、昔の人は竹の炭汁で洗濯することもあったんだとか。どうやら竹炭に含まれるカリウムやナトリウムに洗浄力を高める効果があるようだ。
果たして実際の洗浄力はいかほどだろうか。
試しにウールを洗ってみよう
撮影:苫米地結子
使用する量は、5リットルの水に対し、ふた一杯分(10ミリリットル)。
洗濯水なので洗剤のようなとろみはなく、さらりとしている。微かに草のような青々とした香りがするが、ほぼ無臭に近い。
撮影:苫米地結子
付属の説明書通り、20分間漬け置きしたあと、汚れが多い箇所を中心にやさしく手洗いしていく。
撮影:苫米地結子
いつもはゴム手袋をはめて洗うのだが、竹と水だけでできており、肌を痛める心配がないそうなので素手で洗ってみることにした。
洗濯水にふれたあとの手は、なんとなくギシギシときしんだ感触がした。これが竹炭の感触なのだろうか。
通常の洗剤よりもすすぎが楽
撮影:苫米地結子
洗い終わった後の水はこんな感じ。なかなかの濁り具合である……。
予想以上に汚れがついていたことを目の当たりにしつつ、竹炭の威力も同時に感じることができた。
撮影:苫米地結子
充分に洗えたらすすいでやさしく脱水し、陰干しする。
洗剤だとなかなか泡が落ちてくれず、何度もすすぎを繰り返す羽目になるのだが、これは泡立たないので少ない水で洗い流せて節水にもなる。
匂いまでしっかり落ちた
撮影:苫米地結子
洗う前と洗ったあとを比較するとこんな感じだ。
若干黄ばんだ箇所は残っているものの、全体的に汚れがちゃんと落ちている!
しなりやごわつきだけではなく、焦げた匂いまですっきりとれていた。
水の量45リットルに対し、投入量はキャップ2杯弱(15〜20ミリリットル)。すすぎも一回で充分のようだ。
撮影:苫米地結子
今回はウール素材を洗濯してみたが、カシミヤ、ヤクなど動物性繊維や麻などの天然繊維も洗うことができる。もちろん洗濯機での使用も可能だ。
お値段は一般的な洗剤の4倍以上もするので、普段使いのハードルは高めだが、私は手洗いしたい特別なものに使うと割り切っている。
先人たちの知恵で地球にやさしく
MZinchenko/shutterstock
古くから日本に生息している竹だが、近年は「放置竹林」が問題になっている。短期間で成長する竹が増殖しすぎると、土砂災害や獣害のリスクを高めてしまうのだそう。
竹を有効に活用することは、森を保護することにもつながる。この製品でも日本の竹を使用している。
今回、竹が洗濯水として重宝されていた事実を初めて知った。先人の知恵にあやかりながら、森にとっても人間にとっても気持ちいい選択をしていきたいものだ(洗濯だけに)。