雇用主は従業員を小学生のように扱わず、新しい働き方を試す必要があるとADPの人材担当責任者は話している。
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- 雇用主が労働者を小学生のように扱うことがあまりにも多いとADPのエイミー・レシュケ-カーレはInsiderに語った。
- 在宅勤務をめぐる議論は、その一例に過ぎないとレシュケ-カーレは言う。
- 雇用主は、労働者と企業にとって何がベストなのかを学ぶために試してみる必要があると彼女は言う。
中学生年代は残酷なものだ。
子どもたちはしばしば、幼年期と青年期の間にある思春期の引力のようなものに捉われる。そして、多くの不幸な10代の若者たちは、自分よりも年上に見られることを切望し、懐疑的な親や教師と戦って新たな自由をもぎ取ろうとする。
この時期を繰り返したいと思う人はほとんどいないだろう。しかし、職場の専門家であるエイミー・レシュケ-カーレ(Amy Leschke-Kahle)は、仕事の進め方などに関してあまりに少ない発言権しか与えられない場合、多くの大人に学生時代の屈辱を追体験させることになると考えている。
「職場復帰(RTO)はその一例だ」
ADP社のタレント・インサイト&イノベーション担当バイスプレジデントであるレシュケ-カーレは、Insiderにこう語った。
レシュケ-カーレは、雇用主がもっと積極的に実験し、何が労働者のパフォーマンスを最も良くするのかを学ぼうとしない限り、どこで、どのように、いつ働くかを巡る争いは解決されそうにないと述べている。それは組織図の上に書かれている人々にとって、従業員の柔軟性への欲求とビジネスのニーズとの間のバランスを見つけるためにより一層の努力を意味するだろう。
レシュケ-カーレによると、課題は明らかだ。
「人々にとって仕事が苦痛にならないようにする方法を考え出さなければならない」
今こそ実験の時だ
レシュケ-カーレは、労働者の生産性のような重要なビジネスインプットを動かすレバーをよりよく理解するためには、より多くのデータが必要だと述べた。
「多くの組織は、本当のところは分かっていない。パンデミックの間に、生産性に関するデータはいくつかあったが、それは生産性を測る優れた指標ではなかった」
そして彼女は、「まだ多くの疑問符がついている。そして、人々がさまざまな状況下で仕事をどのように経験しているのかについて、より多くのデータ、より良いデータ、より頻度の高いデータを得る機会が、我々にはもっとたくさんある」と述べた。
ADPのエイミー・レシュケ-カーレ。
ADP
彼女は、雇用主には労働者に特定の場所と時間に出勤するように要求する権利があるが、上司はどうすれば従業員にとってよりよい仕事ができるかを考える必要があると述べた。
レシュケ-カーレは、時給労働者の多くが4時間または8時間未満の単位で休憩を許されないことが多いと指摘した。 彼らに短い休憩を与えれば、ほぼ確実にスケジュール調整に頭を悩ませることになるが、労働者の労働時間にもっと柔軟性を持たせることで、雇用主が最も貴重な貢献者をしっかりと確保するのに役立つかもしれないと彼女は述べた。
「組織はすべての答えを持っている必要はない。実験を行うことはできる」とレシュケ=カーレ氏は語った。 「チームを選んでほしい。事業単位を選んでほしい。そして『3カ月間実験してみる』と言ってほしい」
それは、従業員の勤務日数を週に5日未満にすることかもしれない(このアイデアは注目を集めている)。あるいは、従業員が仕事のやり方についてより多くの発言権を持てるようにする方法かもしれない。
自由奔放になれるわけではない
レシュケ-カーレは、在宅勤務やフレキシブルなスケジュールなどの最終的な決定権は上司にあると注意を促した。
「それは完全に上司の権限だ。我々に選択肢がある。そう、簡単な選択ではないかもしれないが、我々には選択する権限があるのだ」
その選択肢は多くの労働者が望んでいることのようだ。2022年10月と11月、ADPの調査部門が全世界の労働者約3万3000人を対象に行った調査によると、週の一部をオフィスで過ごし、残りを自宅で過ごしている労働者の10人に6人が、その環境設定に満足していると回答した。これらの労働者の満足度は、フルタイムでオフィスにいる人や、完全リモートワークの人を僅差で上回った。
「我々は思い込みをしている」
いくつかのデータポイントや調査結果があるとはいえ、雇用主は労働者がどのように交流するのがベストなのかをもっとよく知る必要があるとレシュケ-カーレは言う。
「我々には知らないことがたくさんあり、人々がどのようにつながるのか、人々が職場でつながり、職場で何かを共有するための最も効果的で効率的な方法は何なのかについて、たくさんの仮説を立てている。我々は、そのためにはオフィスにいなければならないと思い込んでいる。そうかもしれない。けれど、そうでない人もいる」
そしてレシュケ-カーレはこう付け加えた。
「私は、オフィスにいたときよりも、今の方がより多くの人とつながっている。人間は信じられないほど近づきやすいのだ」