組み立てられたSYPAQのドローンが、平らに梱包されて積み重ねられた状態のドローンの上に置かれている。
SYPAQ
- ウクライナはオーストラリアから数百機のいわゆる「段ボール・ドローン」を受け取った。
- Corvo PPDS は安価で、フラットパックで提供され、1時間で組み立てられるとメーカーは述べている。
- 偵察と配達のために設計されていますが、攻撃にも使用される可能性がある。
平たく梱包され、輪ゴムで固定された低価格の「段ボール製」のドローンが、ウクライナに戦場での思いがけない優位性をもたらしている。
コルボ・プレシジョン・ペイロード・デリバリー・システム、略してPPDSと呼ばれるこのドローンは、オーストラリアのSYPAQ社製だ。
オーストラリア政府が2000万ドルの援助パッケージの一部として毎月少なくとも100機を送ると発表した3月以来、ウクライナに渡っていると、The Australianは報じている。
SYPAQによると、このドローンは長さ2.5フィート(約1.5メートル)のパッケージで届き、組み立てもIKEAの製品より複雑ではない。
しかし、このローテクのドローンには軍事用の誘導システムが搭載されている。
SYPAQによると、ドローンは軽量ボードフレーム、プロペラユニット、兵士が目標位置をプログラムできるアビオニクスシステムといった部品からなり、素早く組み立てられるという。
このドローンは最大6.6ポンド(約8.6キロ)の荷物を運ぶことができるので、医薬品や弾薬を投下するのに便利だ。
SYPAQのマネージャーであるマイケル・パートリッジ(Michael Partridge)は、ITニュースメディアのThe Registerに対し、偵察用に改造する場合、兵士はドローンに「穴を開け」、カメラを通して見えるようにするだけだと語った。
完成したドローンの翼幅は約1.5メートル。オーストラリアの7Newsによれば、カタパルトで打ち上げられるほど軽く、文字通り巨大な紙飛行機のように投げることもできるという。
価格は1機約3500ドルで、軍用機としては安い。
SYPAQのドローン「PPDS」。
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ペイロードにもよるが、時速約37マイル(約60km/h)で移動し、航続距離は最大75マイル(約120km)。到着したら、兵士は貨物を回収し、プロペラとアビオニクス・モジュールを取り外し、フレームを捨てるだけだ。
「段ボール製ドローン」として知られているが、その主要な骨組みが実際に何でできているかについては、情報が錯綜している。
パートリッジはThe Registerに、このドローンは蝋引きした段ボールでできていると語った。最近の発表では、同社は「『段ボール飛行機』として知られている」とおどけている。
しかし、8月下旬ごろに同社のウェブサイトにアップロードされた製品仕様書には、軽量で折り畳み可能な発泡ボードで作られていると記述されており、こちらはいくつかの画像と一致しているようだ。
SYPAQ社は、Insiderからの業務時間外の問い合わせにすぐに回答しなかった。
オクラホマ州立大学のドローン研究者、ジェイミー・ジェイコブ(Jamey Jacob)は、Popular Mechanicsにこう語った。
「レーダーは、電気モーター、バッテリー、プロペラといったものを検知するが、ボール紙は検知しない」
今週、ウクライナの駐オーストラリア大使が、ドローンがロシアの飛行場を攻撃するために使われたとするロシアの著名な軍事ブロガーの主張に反論したことで、この潜在的なステルス能力はメディアの注目を集めた。
PPDSが関与していたかどうかも含め、この攻撃についての詳細は未確認のままだが、飛行場はウクライナからドローンが届く範囲にあった。
親ロシア派のテレグラム・チャンネル@fighter_bomberによると、ウクライナは爆弾を搭載したドローンの中に非武装のCorvo PPDSを数機並べたフォーメーションを使い、レーダーを回避したという。
SYPAQは、殺傷任務や破壊任務で使用されたかどうかについてのコメントを求めるいくつかのメディアの要求に応えていないが、3月にウクライナのヴァシル・ミロシュニチェンコ(Vasyl Myroshnychenko)駐オーストラリア大使は7Newsに「そのような目的で使用されたことは知っている」と語り、それ以上の詳細は明かさなかった。