アメリカの大手新聞社、AIによる記事生成を一時停止…不自然な表現や誤りを読者が指摘

ディスパッチ

ガネットが所有するコロンバス・ディスパッチは、AIが書いた記事を掲載しているニュース・サイトの1つだった。

Raymond Boyd/Getty Images

  • ガネットは読者の反発を受け、AIを使ったスポーツ記事の執筆を中断している。
  • AIが執筆した記事はすぐに、表現がおかしい、詳細が分からない、と話題になった。
  • ガネットは、AI生成のジャーナリズムを実験している報道機関の1つだが、実験の結果はさまざまだ。

アメリカの大手新聞社が、AIを使った記事の執筆を中断している。ソーシャル・メディア上の揶揄を受けてのことだ。

ガネット(Gannett)は、アメリカ国内で数百の地方紙を発行しており、AI搭載のスポーツ記事執筆ツール、LedeAIを地方紙で実験的に使っていた。だが、すぐに読者らが、多くの記事は詳細に欠け、下手で、まるでそのスポーツを見たことがないかのようだと指摘した。

ガネットの広報担当者はInsiderに対し、同社がLedeAIツールを使用した記事の執筆を中断したことを認めた。この件はアクシオス(Axios)が最初に報じた

「国内の記者職を数百増やすことに加え、我々は、ジャーナリストのためのツールと、読者のためのコンテンツを作るため、オートメーションとAIの実験を行ってきた」と同社は述べた。

「我々は、高校スポーツ記事のLedeAI執筆実験を中断し、引き続き、このベンダーを評価することとする。プロセスを改善しながら、我々の提供するすべてのニュースと情報が、報道の最高基準を満たすことができるように」と同社は付け加えた。

 AIが作成した高校サッカーの記事を掲載しているガネットの新聞だ。うん、これはひどい。

AI生成記事の一部は、ソーシャル・メディア上で揶揄された。繰り返しや不快な表現があったせいだ。コロンバス・ディスパッチ(Columbus Dispatch)の報道の1つでは、アメフトのウェスタービル・ノース高校(Westerville North)対ウェスタービル・セントラル高校(Westerville Central)戦が「close encounter of the athletic kind(アスリートの接近遭遇)」と表現されていた(映画「未知との遭遇」の原題、Close Encounters of the Third Kindに似ている)。

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み