iPhone 15 発表直前、ゴールドマン・サックスが指摘するアップル株の5つのリスク

A broken iPhone.

Thomas Trutschel/Photothek via Getty Images

  • 投資家たちは、アップルがiPhone 15を発表すると予想される9月中旬のイベントに向けて準備を進めている。
  • ゴールドマン・サックスは、新しいiPhoneとともに、アップルがWatchとAirPods Proの新製品を発表すると予想していると述べた。
  • ゴールドマン・サックスによると、アップルへの投資には多くのリスクがあり、そのトップ5は以下の通りだ。

3兆ドル近い時価評価額を誇るアップル(Apple)は、9月12日(日本時間13日未明)に開催される待望のiPhone15発表イベントを前にしているが、投資家にとっては多くのリスクがある。

ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)が8月31日に発表したメモによると、アップルはiPhone 15、Apple Watch Series 9、Apple Watch Ultra 2、そしてAirPods Proの新バージョンを発表すると予想されている。

より良いカメラ、改善されたバッテリー寿命、USB-C充電ポートとともに9月下旬に市場に登場するアップルの新製品のほとんどについて、ゴールドマンは若干の値上げを予想している。

また、ゴールドマンはアップルに対して「買い」のレーティングと222ドルの目標株価を掲げており、現在の水準から18%上昇する可能性があると強気の見方をしているが、同行はアップルにはまだ大きなリスクがあると見ている。

おそらくアップルのリスクに注目している投資家の一人はウォーレン・バフェット(Warren Buffett)だろう。彼のバークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)は、株式投資ポートフォリオの約半分に相当する1800億ドル近いアップルの株式を保有しているからだ。

ゴールドマン・サックスのマイケル・ング(Michael Ng)によると、彼らがアップルとその投資家に対して懸念しているリスクの主なものは以下の5つだ。


1. 消費者の需要の減退

「アップルの製品やサービスは一般的に消費者向けに販売されており、マクロ経済環境の悪化はアップルの製品やサービスに対する需要を減退させる可能性がある。アップルは売上の50%以上をiPhoneから得ており、アップグレードによる購入に大きく依存している。マクロ経済の逆風による買い替えサイクルの長期化、製品の耐久性の向上、製品イノベーションの不振は、いずれもアップグレード需要に悪影響を及ぼす可能性がある」

2. サプライチェーンの混乱

「アップルのサプライヤーは世界各地に拠点を有しているが、最終組立の大部分は中国で行われている。地政学的緊張の高まりは、関税を含む世界貿易の混乱につながる可能性がある。アップルは強固なサプライチェーンネットワークを有しているが、特殊な部品や大規模生産が困難な部品については、1社または数社の主要サプライヤーに依存している可能性がある」

3. 競争の激化

「アップルはパーソナル・デバイスとさまざまなサービスで競争している。アップルは競合の中では最大手であり、最も潤沢な資金を持つ企業であるが、すべての事業分野で市場をリードしているわけではない。例えば、動画ストリーミングでは、アップルよりもコンテンツに多額の投資を行っている主要な競合他社数社と対峙している」

4. 規制リスク

「アップルは、事業を展開するすべての主要市場において、厳しい規制当局の監視下に置かれている。規制当局の介入により、競合他社がアップル独自の製品やサービスを利用できるようにすることを余儀なくされた場合、アップルの競争上の優位性が弱まる可能性がある」

5. 資金の配分

「アップルにはM&Aの歴史があるが、成功の保証はない。また、アップルには自社株買いの歴史もあるが、これは希薄化を招く可能性があり、また規制当局の監視が厳しくなる可能性もある」


このようなリスクはあるものの、10億人を超えるiPhoneユーザーという膨大なインストールベースが証明するように、アップルの強いブランドロイヤリティは、同社がサービス提供を拡大するにつれて、継続的な収益成長の原動力となるはずだとングは指摘する。そしてそれは、iPhoneの収益が最近減速していることについて、投資家を落ち着かせるのに十分なはずだ。

「我々は、市場が製品収益の伸びの鈍化に注目していることは、アップルのエコシステムの強さと、それに関連する収益の耐久性と可視性を覆い隠していると考えている。アップルのインストールベースの成長、サービスにおける恒常的な成長、新製品のイノベーションは、製品収益に対する周期的な逆風を補って余りあるはずだ」と彼は述べている。

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