貯金を日常生活の一部にして習慣化を(写真はイメージ)。
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- インフレなどの厄介な経済状況によって生活費がかさむ今、貯蓄はいっそう重要だ。
- 7つの銀行口座を持つことが貯蓄と支出の把握に役立っていると、作家のメリッサ・ジャン=バティスト氏は言う。
- 最も簡単に貯蓄を習慣化する方法は、自動的に貯蓄されるよう設定して、時間をかけて増やしていくことだ。
「貯蓄とは、練習と地道な習慣を要するスキルである」。
メリッサ・ジャン=バティスト氏は、著書『So… This Is Why I'm Broke(私が一文無しになった理由)』[未邦訳]で、そう述べている。
奨学金10万ドル(約1450万円)以上を完済したジャン=バティスト氏は、銀行口座を7つ持っている——それぞれに目的を割り当てて貯金しているのだ。これはお金の整理に役立ち、経済的目標の達成に貢献している。
誰もが銀行口座を7つ持つべきなのか? そんなことはないとジャン=バティスト氏は助言する。「必要なのは、経済的目標達成のためにあなたが設けたルーティンや習慣を支えるものだ」と彼女は同書で述べる。
パーソナルファイナンスの利点は、それがパーソナル(=個人的)であるということだ。ジャン=バティストは、自分のお金を管理するために7つの銀行口座を開設したという。「予算の各カテゴリーにどれだけのお金が出入りしているかを管理し、常に把握した。1つの口座にすべてを貯金するのは、私には合わなかった」と彼女は記す。
貯蓄において大切なのは、まず始めることと、習慣を作ることである。貯蓄の習慣を育まなければならない。いったん習慣を築いたら、その存在を忘れたかのように気にしなくなるくらいがいい。貯蓄を習慣化し、日常生活の一部にするのだ。
貯金を増やすためのいくつかのステップを以下に紹介する。
1. 必要な分の銀行口座を開く
「貯蓄を始めたばかりだったり、日課やお金の習慣を改めて調整しているのなら、3つの口座からスタートするのがいいだろう。日々の出費と月々の支払い用の当座預金口座、3~6カ月分の生活防衛資金を貯める口座、今後購入する予定のもののためにそれに応じた額を貯める口座である」と、ジャン=バティスト氏は著書に記している。
私もまったく同感だ。実際、私も5つの口座を持っている。当座預金口座、高利回りの普通預金口座、旅行用口座、仕事用口座、住宅の頭金用口座である。普通預金口座と住宅用口座には自動引き落としでお金が入るようにしてあり、必要に応じて仕事用口座と旅行用口座にも入金している。
2. 給料はまず貯金
給料が当座預金口座に入るたびに自動的に普通預金口座に送金されるよう設定しておこう。貯蓄すると決めた金額が給料から自動的に差し引かれて普通預金貯蓄口座に直接入るようにしてもいい。この方法なら、一度設定すれば放っておけばよく、貯蓄しようかどうかを考える必要なしに貯蓄が完了する。
3. 時間をかけて貯蓄を増やす
貯蓄を自動化してルーティンに組み込んだら、少しずつ貯蓄額を増やしていく方法を考えよう。非常時に使った分の資金を補充したり、住宅購入の頭金などのためにもっと貯金したりする必要も出てくるかもしれない。
生活に安心を与えてくれる貯蓄はとても大切だ。いざというときのためにお金を蓄えておけば、予期せぬ事態が起こっても影響を和らげてくれる。また、将来買いたいもののための資金を確保しておけば、インフレなどによる経済的ダメージも減らせるかもしれない。