AIの出現で25%の職種が自動化される…労働力「総入れ替え時代」にどう備えるべきか

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Arantza Pena Popo/Insider

大きな波が世界経済に打ち寄せようとしている。

AI(人工知能)の出現は、風変わりな映画や真面目な学術的テキストの中で、数十年にわたって私たちの想像力を引きつけてきた。こうした思索があってもなお、過去1年間で大衆的な簡単に使えるAIツールが出現したことは衝撃だった。まるで未来が何年も予定を前倒しして到来したかのように。現在、このかねてより予想されていた、しかし突然すぎる技術的革命が、経済を転覆させようとしている。

ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)は2023年3月に発表した報告書の中で、世界で3億の仕事がAIによって存続不可能になる可能性があると指摘している。世界的なコンサルティング外車マッキンゼー(McKinsey)の試算では、少なくとも1200万のアメリカ人が2030年までに別分野に転職することになるという。

経済学者ヨーゼフ・シュンペーター(Joseph Schumpeter)がかつて述べたように「創造的破壊の嵐」が無数の企業を吹き飛ばし、新たな産業に命を吹き込もうとしている。暗いことばかりではない。今後数十年にわたって、非生成AIと生成AIは世界経済に17兆〜26兆ドル(約2500兆〜3800兆円、1ドル=145円換算)をもたらすと試算されている。そして重要なことは、失われる仕事の多くは新しい仕事に取って代わられるであろうということだ。

この技術的な波の勢いは高まりつつある。私たちが今いるのは、労働市場と世界経済に波紋を広げる大変動のほんの始まりにすぎない。産業革命やインターネットの登場と同程度の影響力を持つ変革となるだろう。

この変化は生活水準を引き上げ、生産性を向上させ、経済的機会を加速させる可能性があるが、このバラ色の未来は保証されているわけではない。政府やCEOや労働者たちがこの急変に緊急性をもってきちんと備えていないと、AI革命は痛みを伴うものになるかもしれない。

試算より10年早く起きている

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