カギ十字を掲げ「我々はどこにでもいる」と声を上げる… 米フロリダ州で極右グループのデモ相次ぐ

集会

ネオナチグループ「ブラッド・トライブ」と「ゴイム・ディフェンス・リーグ」の集会(2023年9月2日、フロリダ州オーランド)。

Stephanie Keith/Getty Images

  • アメリカのフロリダ州で、白人至上主義のヘイトグループがネオナチの集会を開いた。
  • 集会の参加者たちはカギ十字の旗を掲げ、ナチス式の敬礼をし、「我々はどこにでもいる」と声を上げた。
  • フロリダ州ジャクソンビルではこの数日前に銃乱射事件が発生し、黒人3人が死亡した。

先週末、アメリカのフロリダ州ではネオナチのグループが「我々はどこにでもいる」と声を上げながらデモ行進したとMail Onlineが報じた。9月2日、過激なヘイトグループ「ブラッド・トライブ(Blood Tribe)」と「ゴイム・ディフェンス・リーグ(Goyim Defense League)」がオーランドでデモ行進をした。

ブラッド・トライブは、2021年1月6日の議事堂侵入事件にも関係していた元アメリカ海兵隊員クリストファー・ポルハウス(Christopher Polhaus)が創設した団体だ。この団体はヒトラーを神とみなしていると、名誉毀損防止同盟(ADL)は指摘している。女性会員は認めないこの団体は、2021年の設立以来ますます活発に活動していて、反LGBTQ+のデモも開催している。

ゴイム・ディフェンス・リーグはユダヤ人への嫌がらせで知られる、反ユダヤ主義のヘイトグループだ。

この2つの白人至上主義グループが協力して、先週末「マーチ・オブ・ザ・レッドシャツ」という集会を開いた。ソーシャルメディアに投稿された集会の動画によると、このイベントは数十人の支持者集めに成功したようだ。

ADLのCenter on Extremismはこのデモの計画に警鐘を鳴らしていた。ADLによると、アメリカではナチスがますます幅を利かせていて、中には2024年の大統領選を目指しているロン・デサンティス知事への支持を公言する者もいるという。デサンティス知事は、こうした人々は自分の本当の支持者ではないと主張している。

フロリダ州のアンナ・V・エスカマニ(Anna V. Eskamani)下院議員は、これらの集団を非難する動画をX(旧Twitter)に投稿している。「全くもってうんざり。極右過激主義がフロリダ州で拡大している1つの例だ」とエスカマニ議員は書いている。

参加者たちは赤いシャツ、黒いマスク、黒いパンツを着用し、カギ十字の旗を掲げ、ナチス式の敬礼をし、「ハイル・ヒトラー」と声を上げた。彼らはクレインズ・ルースト・パークに集まった。

同じ日、「オーダー・オブ・ザ・ブラック・サン(Order of the Black Sun)」という別の極右グループも、フロリダ州オーランドにあるディズニー・ワールドの外でデモ集会を開いた。このグループは最大限の注目を集めるために、知名度の高い場所を標的にしていると、Daily Beastは報じている

極右思想の活動家ローラ・ルーマー(Laura Loomer)はこのグループから嫌がらせを受け、反ユダヤ主義的な誹謗中傷に耐えてきた。ルーマーは「非常に辛辣で理不尽な行為だ。ただ、たとえ理不尽なナチスの荒らし(や連邦捜査官)であろうと、彼らには言論の自由と結社の自由がある」とX(旧Twitter)に投稿している。デモ参加者の1人は、ルーマーは「オーブンに投げ込まれるべきだ」と怒鳴った。

こうした極右グループによるデモが行われる数日前には、同じフロリダ州で人種差別的な銃乱射事件が発生していた。ライアン・パルメータ(Ryan Palmeter)容疑者は、フロリダ州ジャクソンビルにあるダラー・ゼネラル(Dollar General)で黒人3人を射殺したと見られている。犯行当時、パルメータ容疑者は2丁の銃で武装していて、そのうちの1丁はカギ十字が描かれたAR-15ライフルだった。この事件はヘイトクライム(憎悪犯罪)として捜査されている。

(敬称略)

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