ホール夫妻は、2018年に最初の「サッカー・ショット」フランチャイズに加入し、2021年に2拠点目を始めた。
Courtesy of Erika and Kareem Hall
エリカとカリームのホール夫妻は2017年、パッシブインカム(受動的な収入)のアイデアを検討し始めた。
ジョージア州アトランタに2人の子どもと暮らす夫婦は、資産形成戦略として人気の不動産投資を精査した。しかし調べた結果、フランチャイズに投資したほうがより良いリターンが得られ、労働時間も短くなる可能性があると判断した。
彼らは2018年9月に最初のフランチャイズである「サッカーショット(Soccer Shots)」という子ども向けサッカースクールプログラムに加入し、オーナーになって2年目から利益を上げ始めた。2021年には、サッカーショットの2号店をオープンしている。
Insiderが閲覧した損益計算書によると、2つのフランチャイズでホール夫妻は2019年1月以来、100万ドル(約1億4500万円、1ドル=145円換算)以上の収益を上げている。毎月コンスタントに数万ドルの利益を上げており、単月で数十万ドルの収益を上げたこともある。
エリカ氏はエモリー大学ビジネススクールの准教授、カリームは自身のコンサルティング会社を経営しており、2人ともフルタイムで働いているため、彼らは週に平均1〜2時間をサッカーショットの仕事に費やしている。
フランチャイズへの投資についてエリカ氏はこう話す。
「間違いなく収益性の高いパッシブインカムになると考えています。その利点は、すでに青写真があること。もう誰かが実際に試したことのある方法なので、リソースやテンプレートはすべて揃っています。これがスタートアップなら、全部一から自分で作らなければいけません」
ホール夫妻は、フランチャイズへの投資を通じてパッシブインカムを得るためにどうすればよいか、最高のアドバイスをくれた。それを以下で紹介しよう。
1. 現・元フランチャイズオーナーに話を聞くこと
購入するフランチャイズを具体的に検討し始める前に、自分のやりたいことを成功させた人たちから話を聞いてみよう。カリーム氏はそれについて、こう話す。
「できるだけ多くの現役・元フランチャイズオーナーと話をすることです。彼らの経験、何がうまくいったのか、何がうまくいかなかったのか、そして事業を始めるプロセス全体について話を聞くことが重要です」
ホール夫妻が2018年に最初のフランチャイズを購入した時、子どもは1歳半だった。
Courtesy of Creative Soul Photography
フランチャイズ投資が受動的な収入の選択肢として彼らの目に留まったのは、エリカ氏に経験豊富な友人が2人いたことによる。1人は当時プリムローズスクール(Primrose Schools、幼児教育に特化したデイケア)のフランチャイズを購入したところで、もう1人は自分でビジネスを立ち上げてフランチャイザーになっていた。
ホール夫婦は最初の頃は彼女らを情報源として活用し、フランチャイズを購入する際は彼女らの専門知識を頼りにした。
「FDD(包括的フランチャイズ開示文書)を持って、彼女たちとランチに行きました。FDDとは、フランチャイザーが提出しなければならない長い文書で、マージン、典型的なスタートアップコスト、そしてあらゆる法的な詳細が書かれています。私たちはそれについて話し合いました」
エリカはこう話す。
「彼女たちも私たちのためにその内容を吟味してくれました。仕事を持ちながら、パッシブなフランチャイズを持っている女性のグループがいるのは心強かった。彼女たちがそれを実現できていて、私をサポートしてくれるなら、これが一番いい方法だと感じました」
2. エグゼクティブオーナーになれるフランチャイズを選ぶこと
パッシブインカムを得たいのであれば、エグゼクティブオーナー(Executive Owner)型の運営を選ぶほうがよい。これは、ビジネスを所有しても、管理運用は他の人に任せるモデルだ。
一方、オーナー管理型モデル(Owner Operator Model)はその名の通り、自分が事業運営の中心になるモデルだとエリカ氏は説明する。
「オーナー管理型モデルは、私たちが実際に事業を運営し、そこから給料をもらうモデルです。今、私たちは誰かに給料を払って事業を運営してもらい、残った利益を得ています。もし自分たちで運営するとすれば、仕事を辞めるか、仕事を副業にして給料をもらうしかありません」
フランチャイズの中にはオーナー管理型モデルを採用しなければならないところもあるので、エグゼクティブオーナータイプが選択可能なフランチャイズを中心に探した方がいいと、エリカ氏は指摘する。
購入するフランチャイズの候補を探すときは、まず「フランチャイズ・ビジネス・レビュー(Franchise Business Review)」や「アントレプレナー(Entrepreneur)」などのウェブサイトに掲載されている優良フランチャイズのリストに目を通すことから始めるとよいと夫妻はアドバイスしてくれた。これらのリストには、初期投資総額、資産要件、ロイヤリティ料などの有益な情報が含まれている。
3. 適切な人材を雇うこと
エグゼクティブオーナータイプでは、日々の業務を管理するエグゼクティブディレクターを雇う必要がある。
「誰に投資するのか、つまり採用する人材は最も重要な要素のひとつです」とエリカ氏は言う。
「だから十分な時間をかけて、信頼できる人を雇うべきです。資格だけでなく、実践的な面接をすることで、どんな特徴を持っているかを吟味することが大切です」
夫婦は数回の面接を経て、過去5年間ディレクターを務めてきたジョン・ブロック(Jon Brock)氏を採用した。彼は現在、2021年に買収した2番目のフランチャイズの共同経営者でもある。
ホール夫妻は、スポーツへの関心とフランチャイズ加入をマッチさせたかった。
Courtesy of Rachael Victoria Photography
「労働市場は競争が激しく、人材を見つけるのはとても難しいのですが、もし優秀な人材を獲得できたら、その人材に投資することが大切です。彼らをつなぎとめなくてはなりません」とエリカ氏は話す。
「相談があると彼らが言うなら、そのための時間を作ることです。彼らが健康保険を希望しているなら、その実現可能性を検討しましょう。彼らがより多くの株式や成長を希望しているのなら、それを無視しないこと。彼らは常に他の機会を求めているのだから、彼らが満足しているかどうかを確認する必要があります」
ホール夫妻には4人のフルタイム従業員を含む11人のスタッフがおり、全員に退職金制度を提供することを目指している。
時間とエネルギーをかけて適切なスタッフを見つけ、それを維持することができれば、後でその恩恵を受けることができるとエリカ氏は付け加える。
「本当にパッシブインカムを得たいのであれば、適切な人々を雇い、彼らにマニュアルを渡し、任せることです」
4. そこから多くを得られること
ホール夫妻は「サッカーショット」を可能な限りパッシブインカムな形にしたが、それでもフルタイムで働きながら2人の子どもを育て、2つのフランチャイズを所有することに押しつぶされそうになることもある。
しかし、一日の終わりには「サッカーショットは仕事以上の喜びをもたらしてくれる」とエリカ氏は言う。夫妻は、自分たちが打ち込んだ以上のものを得ていると感じているのだ。
「どこか適当な場所でお金を生む家を所有する。そうした不動産投資のようなものと比べると、サッカーショットの対象年齢になったうちの子どもたちもそれを体験していることが違いです」と彼女は言う。
「子どもたちは生まれてからずっとサッカーショットに参加してきました。毎週土曜日に参加し、友だちも一緒です。このプログラムは人格の育成が大きな特色なのですが、これを通じて子どもたちは本当に成長しました」
ホール夫妻はサッカーショットの収入に依存してはいない。
彼らはフルタイムの仕事の給料で家計をカバーし、フランチャイズの利益は、彼らが将来のために投資したり、他の方法では楽しむことができなかったかもしれない経験に使ったりする余剰資金として活用している。
「私たちは最初から、受動的な収入を得ることを目標にしていました」とカリーム氏は言う。
「だから、2人ともキャリアを放棄して、すべての卵を1つのカゴに入れるようなことはしませんでした。そのようなやり方をしていたら、もっとストレスが大きくなっていたでしょう」