ラクスル子会社「ジョーシス」が135億円調達、創業者・松本氏が語る「初の海外展開、エンタープライズへの勝機」

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ジョーシスの社長CEOで、ラクスルの創業者(現会長)でもある松本恭攝氏。

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ラクスルの子会社で、情報システム部支援を手がけるジョーシス社が、シリーズBラウンドとして第三者割当増資による135億円の資金調達を発表。北米・アジアパシフィック地域を視野に、ラクスルグループとして初となるグローバルでの事業展開に乗り出す。

9月6日の資金調達発表会見では、ジョーシスの社長CEOで、ラクスルの創業者(現会長)でもある松本恭攝氏が「日本から世界で戦えるIT企業に成長させる」展望を語った。

コロナを経て、大企業に課題「数十億円無駄に払っていた」事例も

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135億円の資金調達には、既存株主を含む著名VC(ベンチャーキャピタル)が名を連ねている。

リード投資家はグローバルブレインとグロービス・キャピタル・パートナーズの2社。投資家陣には、ジャフコ、SMBC、31VENTURES、Z venture capital、農林中金キャピタルなどのほか、任天堂創業家のファミリーオフィスであるYamauchi No.10 Family Officeの名前もある。

松本氏は「(投資家陣は、親会社である)ラクスル以外がすべてVC。プロフェッショナルな投資家の方が価値をしっかりと評価した。事業提携を前提とした資金提供ではなく、グロースを信じていただいての資金提供」とし、投資家からの事業成長期待に自信を見せる。

ジョーシスは2021年9月にサービスを開始。2022年2月に分社化し、サービス開始から丸2年間の資金調達総額は、今回の135億円を含めて累計179億円にのぼる。

記者会見のなかで、135億円の主な使途として4つを挙げるが、特に「グローバル事業展開」と「エンタープライズ市場への参入」が大きなポイントだと松本氏は説明した。

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9月6日から北米地域、APACの世界40カ国でサービスを開始した。

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発表会当日の9月6日には、情シス支援サービス「ジョーシス」をグローバルリリース。当日から北米、APACの40カ国での 事業展開をスタートさせた。

ジョーシスでは、テレワーク/ハイブリッドワークが広がるなかで増加する、SaaSの契約管理と従業員に支給するハードウェア(PCなど)の管理・供給を一元管理できることを強みとする。

従来は、いわゆるIT人材不足の300人以下の中小企業顧客を主戦場としていたが、コロナ期間の間に300人以上のいわゆる大企業、エンタープライズ領域の問い合わせが増加したと松本氏は言う。

興味深いことに、自社調査を進めると、コロナ以降の「デバイス増によるITガバナンスの課題」と「SaaSの利用増によるITガバナンスの課題」はほぼ同じ回答率になったという。

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調査でわかった実例の中には、SaaS料金が全社で100億円規模の大企業が「契約を整理するだけで30%程度(=30億円規模)削減できた」という驚くようなコメントもあった。

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