アップルのティム・クックCEO。2023年6月5日、アップル本社で開催されたWWDCで。
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- アップルの株価は9月6日、ヨーロッパの規制当局と中国の動きを受けて約3%下落した。
- 欧州委員会は、マイクロソフト、バイトダンス、メタ、アマゾン、アルファベットとともにアップルを「ゲートキーパー」に指定した。
- 一方、中国政府は、政府職員がiPhoneを使用することを禁止したとWSJが報じた。
アップル(Apple)の株価は、ヨーロッパと中国における2つの規制の動きを受けて9月6日に約3%下落した。
欧州委員会はアップルを、オンライン・サービスの「ゲートキーパー」を務める6つのテック企業のうちの1社として指名した。他の企業には、アルファベット(Alphabet)、バイトダンス(Bytedance)、メタ(Meta)、マイクロソフト(Microsoft)、アマゾン(Amazon)が含まれる。
2022年11月に施行された欧州連合(EC)のデジタル市場法(DMA)によると、主要サービスの「ゲートキーパー」とは、月間アクティブユーザー数が4500万人を超え、時価総額が820億ドルを超える企業を指す。
指定された企業は、自社のメッセージングアプリをライバルのプラットフォームと連携させ、ユーザーがスマートフォンにインストールするサービスを決められるようにしなければならない。
アップルは他の企業とともに、6カ月以内にECの要求に従わなければならない。
一方、ウォール・ストリート・ジャーナルは、中国がアメリカやその他海外の技術への依存を減らすための最新の措置として、政府関係者の勤務中のiPhone使用を禁止したと報じた。すでに一部の政府職員は、所属する機関によってiPhoneの使用制限を受けていたが、今回の措置はそれをより広範囲に拡大するものだ。
アップルは主要な市場として、また重要な生産地として中国に依存している。同社製品のほとんどは中国で製造されており、アップルは中国全土で数百万人を雇用している。
アメリカも同様に、公務員がバイトダンスのティックトック(TikTok)を業務用デバイスやWi-Fiネットワークで使用することを禁止した。さらに、アメリカの議員たちはこの中国製アプリを全国的に禁止する法案を提出している。
ウォール街は、テクノロジー・セクター全般に対して強気の見方を崩していない。ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)のストラテジストは9月4日のメモで、アップルが約10年前に世界最大の企業になって以来、このセクターが株式市場を支配してきたと強調した。
同行は、テクノロジーは消費者物価を引き下げるため、議員がテクノロジー企業を標的にする可能性は低い、と述べた。
「この点で、政策的な観点から見たハイテク・セクターは、銀行、スーパーマーケット、エネルギー会社など、他のセクターとは異なるだろう。これらのセクターでは、政治家が利益が消費者に還元されていない(たとえば、預金者の金利の上昇や食品やエネルギーの価格の低下など)を主張することがよくある」とゴールドマン・サックスは述べている。
「だからといって、テクノロジー企業が規制の対象から外れるわけではないが、それは価格設定よりも、プライバシーやデータの利用、あるいはメンタルヘルスへの影響といった問題に起因する可能性が高い」